答えばかりを求める販売員への対応は?(藤永幸一)

2015/02/18 00:00 更新


昨日、あるデベロッパーとの打合せ席上で、「このごろの若い人は、答えばかり求めてくる。自分で考えようとしない」という、お決まりの話題になりました。

「買物に行っても、同じセールストークばかり!自分からの提案がない。お勧めの色と言ったら、流行りの色ばかり。いいんじゃないですか、かわいいです、お似合いです・・・そのレベルならば、誰でもできる」と、少々ストレスを感じている様子の担当の方。

ほんとうに、ここは変えたいところです。すぐに「答え」を教えるのはどうなのかなという疑問が生まれます。「自分で考える」ということが、ますますできなくなるのではないかという疑問です。

でも、「答えを求めてくる」のは、「関心がある」からです。ここは、受け入れるべき。ここにきっかけがあります。




「答え」を提供する側が、その「答え」を導くプロセスを示し、さらに、「答えのレベル」を見直すというアプローチが必要だと感じます。マニュアル然とした、ありきたりな「答え」を覚えるように仕向けるから、本気で学習しなくなる!

もっと、厳しくいえば、「素敵な答え」を教えてくれる先輩がいないという現実!マニュアルでは、お客様は満足しません!とくに、物販の接客では、細やかな部分にまで気配りすれば、お客様は一人ひとり違う感性を持ち、違うコンディションです。

対応は、一人ひとりに向かい合うしかありません。「この場合は、こう!」という唯一無比の答えはあり得ないわけです。そう考えれば、いろいろな対応の事例、引き出しの多さをみせていくこと、そして、その「答え」を導いた理由、感じ方を手間暇かけて伝えれば、よい効果を生むだろうと考えます。

今回、研修などで提供した知識、スキルなどをオープンにしようという試みのなかで、具体的な対応事例、気遣いの事例などを網羅しようと思っています。「答え」を求めるスタッフに、安易に「答え」を与えてしまっても大丈夫かという見方もあると思います。

でも、その答えを導くプロセスに「関心」「興味」を持ってくれれば、やる気が刺激され、ひいては能力、センスを自分たちで磨いてくれるはずと思います。なにより、すぐに「現場で使える」ことがポイントですね。



20年のアパレル体験で痛感したこと=仕事の悩みは、本当のところ、「人間関係」。2000年に、「レックス」を設立。「仕事を楽しむスキル」を学んで、「元気な現場」をつくるサポートをスタート。自分が「楽しい!」と感じれば、相手にも好感度が伝わる!大手アパレルとの長いお付き合いで、スキルは常にバージョンアップ中!



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