VMDと接客の関係(藤永幸一)

2014/06/18 00:00 更新


最近、商業施設の方から、「売り場つくり、とくにVMDに関しての研修をお願いしたい」という声をよく聞きます。話を聞いてみると、いわゆる「VMD理論」ではなく、「売れる売り場をつくるアドバイスが欲しい」ということ。それで、巡回アドバイス型で「VMD」を中心とした研修を提供する機会が増えています。

たかだか30分から45分の巡回で、ほんとうにその場限りのアドバイスになることも多いのですが、これがかなり評判がいいようです。

参加したスタッフからは、VMDに限らず、その時に不安に思っていること、疑問、悩みなどを直接聞いてもらえることが、大いにストレス解消になるそうです。もちろん、売り場つくりのポイントもきちんとアドバイスしますので、それも役立っているとのことです。

ふと気付いたのですが、以前は、商品が売れるたびに、売り場の構成を自分たちであれやこれやと、毎日のように考えたものでした。偏った売り方になると、それこそ後の売り場つくりが難しいということも「体験」として学習しました。

一日が終わる、店頭在庫を見直し、並べ方を変えるなどして、翌日の鮮度をキープする工夫をしました。そういう「販売計画」を自分たちで日々更新する作業を自然にやっていました。

いつの間にか、情報(データ)主導となり、「売れるものを売る」ことが優先されてきたように感じます。スタイルや組合せをかえるという細かい作業が減りました。同時に、VMDに関しても、本部からの指示もまばらになったり、教育も十分には行われなくなったようです。

「売れる(正確には、売れると思う)売り場」をつくるという「作業」は、商品への関心を深く掘り下げ、コーディネートを考え、接客をイメージする、とてもいいセルフ学習だったと言えます。その機会が少なくなったということも、「接客」が、「SKU販売」化していて、楽しさに欠ける原因の一つかなと感じます。

「売り場」が好きなスタッフの方が、楽しい接客をする・・・これ、案外見落としているかもしれません。



20年のアパレル体験で痛感したこと=仕事の悩みは、本当のところ、「人間関係」。2000年に、「レックス」を設立。「仕事を楽しむスキル」を学んで、「元気な現場」をつくるサポートをスタート。自分が「楽しい!」と感じれば、相手にも好感度が伝わる!大手アパレルとの長いお付き合いで、スキルは常にバージョンアップ中!



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