JAM(東京、川村健一社長)の野球をテーマにしたカジュアルブランド「ケボズ」は、メジャーリーガーのラーズ・ヌートバー選手との協業商品の予約販売を始めた。協業を記念して、神宮球場でヌートバー選手による子供向けの野球教室も開いた。
ケボズは野球好きの川村社長が17年に立ち上げた。野球に着想したグラフィックのTシャツやスウェットなどのほか、ベースボールシャツやウィンドブレーカーなどのスポーティーなアイテムが中心だ。
ディレクションは社長自ら行っており、服作りは独学だが、がっしりした生地を使い、ほどよくゆとりのあるシルエットがストリートファッション好きにも受けている。中心価格はTシャツで約5000円、スウェットで1万円台。卸はせず、ECと全国6店の直営店で販売する。

ヌートバー選手との関係はインスタグラムから始まった。同選手をフォローしたところ、すぐに反応があり、ケボズの服をほめられたという。その後、本人が愛用してくれるようになったことから協業に至った。

協業商品は選手の名前を入れたベースボールシャツや、有名イラストレーターによる似顔絵をあしらったTシャツなど。キッズアイテムもあり、親子で着られるコレクションになっている。11月12日まで注文を受け付けている。

10月25日にはケボズ主催で、ヌートバー選手と少年野球の子供たちを招き、野球教室を開いた。ケボズが神宮球場に付属するバッティングセンターに、ミニショップや協賛したバッティングレーンを置いていることがきっかけだ。

ヌートバー選手は終始笑顔で、打撃などについて真剣に指導。参加した子供たちは「ためになった」「優しかった」と興奮気味に感想を語った。親からも「またとない機会、一生の思い出」と感謝の声が聞かれた。

明治神宮外苑の齋藤清営業企画部担当部長は「素晴らしいイベント。神宮球場は都心の真ん中という最高の立地。ケボズと協力し、ファッションを通じて若い世代ともつながりたい」と喜んだ。
川村社長は「子供たちの笑顔が本当にうれしい。大成功だ」とし、今後も野球を盛り上げるイベントを強化する考え。「野球は国民的スポーツなのにファッションなどのライフスタイルとあまり結びついていない。ケボズを懸け橋におしゃれなイメージにしたい」と話す。

(高塩夏彦)