川辺はハンカチの値上げを進めている。100周年を迎えた同社によると、「アーカイブの60年代のライセンスハンカチは500円と1000円だった」。つまり、現在の価格帯とほとんど同じだ。加えて、原材料や人件費、物流費などの高騰で、「取り巻く環境も大きく変化し、価値にあった価格設定と魅力を高めたハンカチを提案する必要がある」(戸上太一取締役営業統括本部長百貨店本部長兼グループ会社統括本部長)として、今年1月に一部商品の値上げに踏み切った。影響は多少あったものの春夏の販売は好調だった。秋冬物ではさらに付加価値を高めたハンカチに挑戦している。
(古川伸広)
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アンケート調査によると、ハンカチは「ギフト需要が70~80%を占める」ため、業界でも値上げが難しいと感じられている。最近はやや薄れているが、祝い事やお礼などにハンカチを贈るケースが多く、「500円を100円上げるだけでも、予算が増えてギフト需要が減る」懸念がある。他社も「本当は価格を上げたいが、なかなか踏み切れない」との声が聞かれる。
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