貝印主催の帽子コンテスト 「越境」をテーマに応募作品が倍増

2025/12/10 11:00 更新NEW!


最優秀賞を受賞した大倉さんと作品

 総合刃物メーカーの貝印は、帽子文化や帽子デザイナーの育成を目的とした帽子のデザインコンテスト「カイ・ハット&ヘッドピース・コンペティション2025」の最優秀賞と審査員特別賞を発表した。

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 4回目となる今回は応募が倍増し、多くの国から作品が集まった。テーマは「越境」。国を超えるという意味だけでなく、様々な境を超えることを切り口にした作品が集まった。

 最優秀賞は、文化服装学院帽子デザイン科在学中の大倉小枝さんの「流動」。柔らかな布が風に揺れている瞬間を切り取ったようなデザインの帽子が選ばれた。布の動きの繊細さが感じられるとともに、一瞬の力強さも感じられる点が評価された。

 審査員特別賞は、チェンシィー恵蒔ルイースさんの「開花」。曲線が重なるように編まれたトウの上に花を飾った優雅な作品が選ばれ、目録5万円が贈られた。

 授賞式の後半は、「ケイタマルヤマ」のデザイナー丸山敬太氏と、帽子デザイナーの日爪ノブキ氏を迎え、ファッションジャーナリストの向千鶴氏をモデレーターとしてトークセッションを行った。越境に対する考え方について、丸山氏は「ファッションにはそもそも境がないと思っています。ボーダーのないところに生まれるもの自体がファッション。僕自身、その感覚を常に意識して持っていたいと思っています」と語った。

 コンテストに挑んだ若きデザイナーらには、「コンテストは勝ち負けではない。いろんな人に見てもらって客観視できる。成長するためのツールになると思う」と激励した。

トークセッションでも越境がテーマになった(左から向さん、丸山さん、日爪さん)


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