ジュン創業60周年で「カンレキ・ミーティング」開催

2018/10/23 06:29 更新


 ジュンは創業60周年を記念した社内向けイベントを17、18日に開催した。テーマは「ネクスト100」。次の100周年につなげたいという思いから掲げられた。1日目は企業として60周年、還暦を迎えたことから「カンレキ・ミーティング」と題し、内勤社員と店長ら約700人が東京・目黒のホテル雅叙園東京で、60年の歴史を振り返った。

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 オープニングイベントで佐々木進代表取締役社長と、創業者の佐々木忠会長の〝親子〟対談を開き、ジュンの創業時にまつわる出来事などを語った。

 佐々木会長は「立教大学を卒業してしばらくたった6月頃に、銀座のみゆき通りでメンズの海水パンツを見てアイデアが浮かんだ。サングラスや小銭を収納できるデザインで前身が赤いチェック柄の布帛、後ろ身がニットの海水パンツを企画して販売したら大いに売れた」という。

 当時は、ヤングメンズファッションが無かった時代。佐々木会長は「欲しいものが無ければ、自分で作ろうと考えた。メンズの赤いセーターも市場に無かったので作ったら、売れた。男性ファッションが女性化する先駆けとなった」と語った。また、佐々木社長が「ジュンの社名の由来は」と尋ねると、「私が6月(JUNE)生まれだから。立教大学の学生だった頃、女友達から『純情なジュンちゃん』と呼ばれていたのも理由の一つ」などのエピソードも飛び出した。

 佐々木社長が「ファッション企業が長く継続するには」と問えば、「はやり過ぎるとブランドに特定の色(イメージ)が定着して、次の時代に生き残れない。ウチのレディスブランドの『ロペ』の様に得体の知れないものが良い」と佐々木会長が持論を展開するなど軽妙なやり取りで、会場が笑いに包まれた。対談の最後に佐々木会長は「当社は60周年を迎えたが、これで終わりではない。今日を機会にこれまでの60年を捨てて、新たなスタートを切って欲しい」と語り、佐々木社長は「次の100周年に向けた決起集会として、皆さんと力を合わせていきたい」と述べた。

 2日目は全国の店長約400人が参加したショップマネジャー・カンファレンスをヒルトン東京で開催。会合では柔道家の古賀稔彦氏による指導育成の学びの講義や、フォトグラファーのシトウレイ氏によるトレンドスタイリングやインスタグラムのアドバイスなどの講義を行い、より実践的な内容となった。

ヤングメンズファッションが市場に無かった創業当時のエピソードなどが披露された


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