JFW推進機構 生地のデジタルプラットフォームを開設

2021/05/17 06:28 更新


掲載は無料。ユーザーは登録不要で閲覧できる

 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW推進機構)は5月13日、生地のデジタルプラットフォーム「JFWテキスタイル・オンラインサロン」(JTO)を開設した。国内最大のテキスタイル商談会、プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)に出展される商品を集積し、国内外に広く発信していく。コロナ禍で対面の営業や商談の機会が減少するなか、いつでも最新の生地情報が入手できるJTOで「ビジネスマッチングの入り口の部分を作り、フィジカル(リアル)の活動を補完する」(古茂田博JFW推進機構事務局長)考えだ。

 テキスタイル企業は地方に多く、移動が制限される中で、デジタルを活用したプロモーションの重要性は高まっている。しかし、PTJに出展する多くの中小企業にとって、経費や技術などの壁は高く、単独で集客を増やすことも難しい。JTOは、JFWの知名度や影響力、組織力を生かし、全国の繊維産地・地域から出展するテキスタイル企業の情報をウェブ上に集約、バイヤーに活用を促す。

 JTOでは現在、今月25、26日に都内で開くPTJ22年春夏の商品のうち、698点を掲載している。掲載は1社当たり13点までで、出展者の8割の65社が登録した。掲載期間は1年。半年が一般的だが、生地調達のタイミングを販売時期に引き付ける傾向が強まっていることを考慮した。

 サンプル発注や決済機能は設けず、プロモーションに力点を置く。検索機能はバイヤー目線を取り入れ、目的の生地に簡単にたどり着けるようにした。カテゴリー検索ではアイテム、原料、機能、生産地からストック、小ロットといった取引対応、サステイナブル(持続可能な)まで細かく区分されており、チェックを入れるだけで、条件を絞り込める。フリーワードや品番、企業一覧からも探すことができる。

 詳細ページでは社名、品番、原料区分、混率、用途、生地幅、目付、産地、風合い、素材特徴が、4枚の画像とともに閲覧できる。風合いは、軽さ、柔らかさ、滑らかさなどを各社が5段階で評価したものを指標として出す。画像は高解像度で、カーソルを重ねると拡大でき、目面がはっきりと視認できる。柄の大きさや間隔が一目でわかるよう、メジャーを当てたカットも揃えた。

 最大の特徴はマイページ機能。ユーザー登録すれば、自由にフォルダを作成し、好みの生地を保存・整理できる。製品企画時の資料作成や比較検討に便利。このほか、産地紹介のページも設け、学習ツールとしての利用も見込む。

 目指すは、生地情報のポータルサイトだ。将来的には、毎年冬に開く繊維総合見本市のJFWジャパンクリエーション、伊ミラノウニカやインターテキスタイル上海で年2回主催する日本パビリオンの出展者の生地も網羅する。産地情報も動画などを加えて拡充し、ニュースも掲載する。年内にも英語版を追加し、国内外に日本の生地を紹介する主力サイトに育てる考えだ。



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