【記者の目】新規客開拓に挑む大手セレクトショップ 個々の好みにアプローチ

2024/06/03 15:00 更新有料会員限定


ユナイテッドアローズの「アティセッション」24年春夏のビジュアル

 大手セレクトショップが新規客の獲得に乗り出している。創業時から成長を支えてきた主力業態の顧客年齢層が上がっており、若年層の取り込みが目下の課題だ。情報収集の手段が多様化し、ファッションの好みも細分化しているため、今までと違うアプローチが求められている。若手社員を起用した新業態の開発や商品企画などの動きも目立つ。

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価格より魅力重視

 77年創業のベイクルーズは、主力顧客が40代前後となったブランドも多い。このため、コロナ前から若年層を狙った新業態の開発に着手した。運営を担うバイヤーや企画は販売員出身で、自らが手を挙げた20~30代の若手社員だ。

 17年にスタートしたメンズ主力の「パルプ」は、95%が仕入れで、ストリート系や韓国、北欧のブランドなどを扱う。価格は高いが、服が好きな若年層は二次流通で売ることも考えて買い物することもあり「良いものは高くても買う」傾向が強い。実際、10~20代の学生にも高単価なアイテムが売れている。

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