国内スポーツメーカーは23年度業績で相次ぎ過去最高を計上しそうだ。23年12月期のアシックスは過去最高の業績となった。24年3月期の3社もコロナ禍前を上回る売上高を予想する。スポーツイベントの再開や運動習慣の回復という市場背景とともに、コロナ禍で筋肉質になった経営体制も寄与しているようだ。
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アシックスは23年12月期、売上高、各利益段階とも過去最高となった。最終年度だった中期経営計画2023の数値目標「営業利益250億円、営業利益率6%以上」は、それぞれ「542億円、9.5%」と計画を大きく上回った。廣田康人代表取締役会長CEO(最高経営責任者)は、「アシックスは完全に成長軌道に乗り、今後もさらに成長できる」と強調する。新たな中期計画2026では、「売上高年平均成長率7~10%、営業利益800億円以上、営業利益率12%前後」を目標とした。
カテゴリー経営に
同社は19年から、生産部門と販売部門が独立していた経営管理体制を改め、五つのカテゴリーのトップが製品の企画から生産、販売まで全ての責任を担う〝カテゴリー経営体制〟に移行した。各カテゴリーのトップが収益や在庫の責任を持ち、本社と販売会社の役割を明確にすることで両者の距離が縮まり、カテゴリーごとに垂直統合されたバリューチェーン全体での収益性重視へ大きく意識が変わったという。加えて、単年度でのグローバル共通の経営管理サイクル、販管費コントロールのために、費目ごとに執行役員を責任者に指名するコストオーナー制なども導入したことが、大きな成果につながったと分析する。
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