ジョイックスコーポレーションは19年度から攻めの経営を進める。主力ブランド「ポール・スミス」の大型店の開設をはじめ、堅調な売り上げの「ダファー・オブ・セントジョージ」「サイコバニー」などの出店を計画する。引き続き伸びているECでも売り上げ構成比の向上を目指す。
(大竹清臣)
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就任3年目となる武内秀人社長は、「2年目までは本社移転や企業理念の策定、新人事制度など社内の守りを固めてきた。店舗もこれまでは整理・縮小をしてきたが、今年度からは新規出店で攻勢をかける」と強調する。
ポール・スミスは10月に大阪・心斎橋に約264平方メートルの路面店を開設する。11月には都内の商業施設内にも出店する。この間継続している改装も7~10店を予定する。ダファー・オブ・セントジョージやサイコバニーでも百貨店や駅ビル・ファッションビルなどに計4、5店を出す計画だ。「ヴィヴィアン・ウエストウッド・マン」では、ブランドビジネスの新たな形として、サブライセンシーを集めた雑貨アクセサリーの複合ショップの新規出店も計画する。
各ブランドの18年度の売り上げはポール・スミスが前年比2%増、ヴィヴィアン・ウエストウッド・マンが2%増、ダファー・オブ・セントジョージが1%増、サイコバニーが34%増だった。一方、「ポール・スミス・コレクション」「ランバン・コレクション」などスーツが強いブランドは苦戦した。全社売り上げは、総店舗数が271店から260店に減少したにもかかわらず1%増の270億円と健闘した。堅調だった上期から一転して下期の厳しさが響いたが、それをカバーした。
EC化率は18年度13.7%の37億円(17年度は11.3%)に上昇した。19年度は出店している大手ECサイトだけでなく、自社サイトも強化することで、さらに売り上げを伸ばし、15%の43億円を目指す。新入社員も大幅に増やしており、この3年は50人以上(以前は約30人)を継続的に採用している。新たな研修制度を含め、人材育成には引き続き力を入れている。
業務の効率化に向けては、IT戦略室を新設する。新システムの導入やEC、オムニチャネルのインフラ整備などで専門的な情報分析に基づく能動的な選択を担う。