Jクルー グループの「メードウェル」株式上場へ

2019/05/10 06:26 更新


 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米カジュアルSPA(製造小売業)Jクルーグループは、4月の新経営陣発表で、2ケタ台の勢いで上昇する後発で低価格の「メードウェル」を、今年後半の初頭をめどに株式上場すると発表した。「この戦略は我々の会社の価値を最大限に生かし、メードウェルの長期成長の機会と、金融のフレキシビリティー、健全なバランスシートをもたらし、Jクルーを回復させる助けになる」としている。

 18年度の決算は、売上高24億8400万ドル(前期比6%増)だが、在庫処分などで1億2010万ドルの赤字(前年度1億2320万ドルの赤字)、この中で「Jクルー」ブランドは売上高17億7950万ドルで4%減、これに対し21.3%を占めるメードウェルは売上高5億2920万ドルで26%増、既存店売上高は前年度の14%増を上回る25%増と好調。

 Jクルーは、03年度ギャップのCEO(最高経営責任者)を退任したミラード・ドレクスラー氏が、CEOに就任、06年度株式上場を果たしたが、11年度にプライベートエクイティのTPGキャピタルとレオナードグリーン&パートナーズによる買収(30億ドル)で、再び非上場会社に戻った。その後特にウィメンズの業績不振で17年度には、ドレクスラーCEOはじめ多くの役員が退陣、買収による長期借入金の返済期限などで破産法申請の可能性もうわさされていた。

 メードウェルは、ドレクスラー氏が1937年度創業のワークウェアのブランドを買収、06年度から始まった低価格のベーシックウェア。くしくも26年前、当時ギャップのCEOだったドレクスラー氏が、台頭してきたディスカウンターのターゲットなどに対抗すべく始めた「オールドネイビー」が、ギャップのけん引力となり、今年4月から別会社としてスタートした軌跡と重なる。

 Jクルーの新経営陣は、CEOとしてLブランズを経て16年入社のCOO(最高執行責任者)、マイケル・ニコルソン氏が就任、メードウェルのCEOは、現CEOで勤続8年のリビィ・ウェイド氏が続投する。



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