【JFW‐IFF・MAGIC】 エシカルな商品の裾野広がる

2018/09/27 06:29 更新


 フェアトレードやリサイクルなど、エシカル(倫理的)な商品の裾野が広がっている。大学の授業をきっかけに若い人が興味を持ったり起業するケースもある。事業に関わる人たちが多様になれば切磋琢磨(せっさたくま)で魅力的な商品が増え、市場もさらに活性化しそうだ。会場にもファッション性の高いエシカル商品が揃う。

【関連記事】きょうからJFW‐IFF・MAGIC エシカルエリアが登場

 東京・日本橋蛎殻町にあるエシカル商品のセレクトショップ、エシカルペイフォワード(W-506)は、自店で扱っている服やアクセサリーの5ブランドを出展。「イトバナシ」のインドの細かい刺繍を施したシャツ(2万6000円)、「イロイト」のグアテマラの古布を活用した絣の巻きスカート(1万2000円)、「コロリーダス」のブラジルの〝黄金の草〟を編んだネックレス(1万8000円)など。服の購買層は手仕事や個性的な物が好きな40代以上の大人が多い。大学でフェアトレードについて勉強している学生、エシカル関連で起業を考えている社会人などの来店も増えているという。イトバナシの伊達文香社長も学生時代に起業した一人で、「今後は販路や生産量を増やすことで、商品の品質や現地の人の生活がより安定するようにしたい」と話す。

エシカルペイフォワード

 リサイクル素材で作るボウタイやジレが中心の「プロサック・オールウェイスマイル」(E-503)は、20代の男女2人が手掛けるイタリアのメンズブランド。大学時代にファッションビジネスの環境汚染について学んだことから、エコフレンドリーな物作りを意識するようになり、13年に立ち上げた。原材料の調達から製品化まですべてイタリア国内で完結する。さまざまな地域の複数の職人に分業で生産を依頼することで地域活性化にも貢献する。人気のボウタイは、芯地にコーヒー豆を入れる麻袋を使ったもの。19年春夏物からエスプリ・ユージー(大阪市)が国内の販売代理店を務める。小売価格はボウタイ1万円前後、ジレ3万円前後。

プロサック・オールウェイスマイル

 「アルティプールコテージ」(W-410)は、インド産のハンドクラフトアイテムを中心に揃えるアンティーク調のインテリアブランド。天然木を使った味のあるテーブル(1万8000円~)や、手間のかかるブロックプリント(木版染め)のクッションカバー(2400円)など、手仕事の温かみを感じさせるものが多い。現地の工場と直取引することで、フェアトレードを続けている。今回の会場のコンシャスラウンジに置く什器も同ブランドが提供した。

アルティプールコテージ
にぎわうコンシャスエリア

 地球環境について少し違った角度から考えられる商品も出展している。ぬいぐるみ作家の村田雅美さんの「ノコノコ」(AT-026)は、一般の動物に加えてマンドリルやカカポなど絶滅危惧種のぬいぐるみも型紙から作り、「こういう動物がいることを知ってほしい」。ウールのコート地などを使った上質な見た目と愛らしさが大人の心をくすぐる。マンドリルで6万円。

ノコノコ


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事