シネマとワインのペアリング?(宇佐美浩子)

2018/10/31 15:00 更新


Medium 1 %e3%82%a4%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e5%85%ad%e5%8d%83%e5%b9%b4dscf6535
“よいワインはよい映画のようである。一瞬で終わるが、後に深い味わいを残す。
 味わうたびに新しく、映画同様、味わう人ごとに生まれ変わる”
(『美味しく楽しいイタリアワイン』資料より)

とはイタリアを代表する映画界の巨匠、フェデリコ・フェリーニの名言の一部。

思えば昨年のちょうど今頃、当コラムでもご紹介した通り、シチリアでワインの痕跡が残る6000年前の壺が発見されたのを機に、「イタリアワイン三千年」から「イタリアワイン六千年」へと2倍になり、まさに毎日がイタリアワインのあるライフスタイルへとアップデートしたキャンペーンがある。

そのキービジュアルとして登場する、ワイングラスを持つ古代ローマ人。

なんとも贅沢なこのオリジナルイラストの生みの親は、一目瞭然だとは思うが、超人気漫画『テルマエロマエ』の作家、ヤマザキマリさん。

繊研新聞(10月19日付け)のカルチャーページにてもご紹介したように、冒頭の巨匠フェリーニもこよなく愛したローマのチネチッタで撮影も行われ、映画作品としても人気を博したことは記憶に新しい。

そんなヤマザキさんの日常にイタリアワインのある風景が目に浮かぶ、楽しいトークと共に開催された記者会見の一コマが下記。

10月30日はイタリアの新酒「vino novello」(ヴィーノ・ノヴェッロ)の解禁日。どの1本で祝いましょう?

左からヤマザキマリ氏、駐日イタリア大使ジョルジョ・スタラーチェ閣下、イタリア大使館貿易促進部アリスティデ・マルテッリーニ部長/©h.usami

一方、ここ日本でも今月18日に新酒を祝った岩手県花巻市のワイナリーがある。素晴らしい眺望が魅力の早池峰山の南面に開けた小盆地、大迫町にある「エーデルワイン」の「いわてヌーヴォー2018」赤と白。

近年、国内外のワインコンペティションで受賞歴を誇るワイナリーが、今秋収穫したての岩手産葡萄でつくった「100% made in Iwate」のワインだ。

大迫 ぶどうの丘©h.usami

ところで、なぜまた唐突にも花巻の大迫の話題なのかと言いますと…

今年6月のカンヌ国際映画祭で、日本人としては21年ぶり、かつ史上4人目のパルム・ドールに輝いた、もはや日本映画界のみならず世界的注目を集めている是枝裕和監督の代表作の一つ、『海街diary』のロケ地としてスクリーンに登場しているからなのです!現地での情報収集によれば、大迫と花巻南温泉峡でロケが行われたとか。

というわけでワイナリーからも程近く、上空から町を一望できる向山森林公園展望台へと向かってみた。するとそこには、清々しい空気と共にワインや映画同様、味わい深い余韻を楽しめる何かが待ち受けていた!?


向山森林公園展望台より/©h.usami

イタリア映画界の巨匠のコメントで幕開けし、デビュー作(「幻の光」95年)がヴェネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞受賞というイタリアつながりもある是枝監督へと話題がバトンタッチされた「シネマとワインのペアリング?」がテーマの10月終わりの「CINEMATIC JOURNEY」。

ゴールとなるシネマヌーボーは、前述の是枝監督がエグゼクティブプロデューサーを務める国際共同プロジェクト『十年 Ten Years Japan』の話題!


“未来とは、今を生きること”

というコピーが胸に突き刺さる本作。その始まりは、香港を舞台に5人の若手新鋭監督が近未来を描き記録的ヒットを飛ばし、海外メディアでも取り上げられた短編オムニバス作品『Ten Years』

この香港発オリジナル版スタッフ等の「国際社会への相互理解を深めたい」という思いが、タイ、台湾そして日本と共に「Ten Years International Project」を始動することになり、その日本版の総合監修として是枝監督が参画されたというわけだ。


脚本の質や独自性など、さまざまな側面から審査を重ね、厳選された5人の日本の新鋭監督が描く「十年後の日本」とは、どんな未来を想像されているのだろう?

杉咲花、國村隼、太賀、川口覚、池脇千鶴ら実力派俳優たちが各作品に集結した、各出演タイトル(テーマ)を下記に☟

「DATA」(デジタル社会)、「いたずら同盟」(AI教育)、「美しい国」(徴兵制)、「PLAN75」(高齢化)、「その空気は見えない」(原発)。

それぞれに印象深いシーンが脳裏でシャッフルを重ねる中、素早いスピードでデジタル社会化していく時代に、女子高生のヒロインが仮想と実像を重ね合わせるかのごとく、生前の母親の服やアクセサリー、そしてメークをして出かけるシーン(画像下)に、じんわりと温かなものが胸にこみ上げてくるのは私だけではないような?


『十年 Ten Years Japan』

11月3日(土)よりテアトル新宿、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開

©2018 “Ten Years Japan” Film Partners




うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中

関連キーワードレポートプラス


Bnr counter agreement
Bnr denshiban

この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事

Btn gotop