「熟成美を秘めた俳優から学ぶ」をテーマに、「前編」2回に分けてご紹介している1月の「CINEMATIC JOURNEY」。
その後編にあたる今回は、あのシャルロット・ゲンズブールが老いた母親役を熱演する『母との約束、250通の手紙』からスタート!
「熟成美という表現は40代後半のシャルロットの年齢では早すぎはしない?」と思われるかもしれませんが、父セルジュ・ゲンズブール、母ジェーン・バーキンという家庭環境も伴い、10代前半のシネマデビューとあり、もはや30年以上のキャリア。なので、それなりの熟成度ではないかなぁと思っている訳でして。
そんな彼女が演じる母親役は、エキセントリックとさえ思えるほどの強烈な個性と同時に、深すぎる息子への母性愛が時に笑いを誘うほどなのです。
そんな彼女の役作りに対する取り組みも惜しみない愛情が注がれ、それはまた自身の父方の祖母のイメージに重なっていたともいいます。
たとえば、ポーランド語訛りもその一例なのだとか。中でも、下記は特に印象深く響きます。
❝私はありとあらゆるものの助けを借りたわ。衣装、メーク、ウィッグ...
偽のお尻と胸を使ってみることにもした。
人生で初めて仮面をかぶっているような気持ちがしたわ。❞(本作資料より)
かなり納得のいく、コメントではないかなぁと。
さて、本作について軽く触れさせていただきますと。
ユダヤ系ロシア移民で、フランス国籍を持つ文豪、外交官、映画監督、そしてフレンチシネマの名作『勝手にしやがれ』のヒロイン、ジーン・セバーグの夫という、なんともセレブリティ感香る背景を持つロマン・ガリ。彼の代表作で自伝的小説『夜明けの約束』が原作。
イヴ・サンローラン財団公認の伝記映画『イヴ・サンローラン』で、「本人の生き写し」とまで称され、注目を集めたピエール・ニネが本作でも主人公に魂を込めて熱演。
ちなみに時代背景に沿った衣装製作をはじめ、「ランセル」や「ラコステ」といったフレンチブランドなどの小物類に至るまで、きめ細やかな配慮が光っています。
また主人公が作家であり、なおかつタイトルに「手紙」というワードが含まれていることもあり、1915年にスイス・ジュネーブの鉛筆工場としてスタートした革新的でモダンなデザインと品質が人気の「カランダッシュ」や、1906年にドイツで創業した「モンブラン」といった有名筆記具ブランドのクレジットも発見!
いつの世も、母と子の関係は迷路のようでありながら、実は一筋の途切れることのない線で繋がっているのかもしれないと…
1月31日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
配給:松竹
©2017-JERICO-PATHE PRODUCTION-TF1 FILMS PRODUCTION-NEXUS FACTORY-UMEDIA
さて、ペンの話題が登場したところで、少しばかり寄り道を。
なぜならボディーペインティングならぬ、「Bodyscore」シリーズといって、人体に楽譜を書き、新たな作曲法を確立した、ミラノ生まれ、パリ在住のイタリア人現代音楽作曲家、ヤコポ・バボーニ・スキリンジによる日本初の写真展「Bodyscore-the soul signature」が、2月16日まで東京・銀座の「シャネル・ネクサス・ホール」にて開催されている。
ちなみに彼はドキュメンタリー映画をはじめ数々の映画音楽も手掛けることでも知られ、そしてもちろんソロ、アンサンブル、オーケストラのための音楽、インスタレーションなど、新たなジャンルのアート表現にもチャレンジを続け、その才能に限りがない。
会場内で自作を前に、楽譜のキャンバスを務めるモデルたちとの共作ともいうべき美しき旋律の誕生秘話を語ってくれたヤコポさん。奇遇にも前述のシャルロットと同じ年と知り、二人のマルチタレントぶりとチャレンジ精神に共通項を感じた。
ちなみに、いくつかの作品の前で聞こえてくるメロディーに、ぜひ耳を傾けてほしい。
そこで次なる「熟成美を秘めた俳優から学ぶ」をテーマに巡る「CINEMATIC JOURNEY」は、誰もが一度くらいは、どこかで耳にしたことがあるだろうフレーズ「シャバダバダ~」
映画音楽家として著名な作曲家フランシス・レイの美しい音楽と共に知られる映画『男と女』。
そのスタッフとキャストがおよそ半世紀の時を経て再集結し、完成した熟成美を香る名作が、『男と女 人生最良の日々』!
ファッションも音楽も、とってもフレンチシックな大人の色香を放つ「男と女」シリーズ。
各年代ならではの美しさで観客を魅了するヒロイン、アヌーク・エーメに恋するのは、ひょっとすると女性が多いのではないかと思う。
と同時に彼女の美しさの秘密は、ひょっとするとエンドロールにクレジットされていた通称「時間の魔術師」こと、スイスのプレステージスキンケアブランド『ヴァルモン』も関与しているのかも?などと推測してしまう。
ともあれクロード・ルルーシュ監督のもとに、馴染みの顔ぶれが集まり、新たな時代のストーリーを紡ぐ、まるで家族のようなチームワーク。
それはまたどこかドキュメンタリーのようでもあり、しばしば劇中に挿入される主演のアヌークとジャン=ルイ・トランティニャンの2人の若かりし頃のシーンが、そうした気分をより一層アップする。
こうして本作の軸となる「記憶」にまつわるヴィンテージ感満載のロードムービーは、惜しくも本作が遺作となったフランシス・レイ作曲のメロディーと共に、決して色あせることのないプラチナのような輝きを添えてくれる。
1月31日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、Bunkamura ル・シネマほかに全国ロードショー
© 2019 – Davis Films – Les Films 13
「熟成美を秘めた俳優から学ぶ」をテーマに巡る「CINEMATIC JOURNEY」後編。
そのフィナーレを飾るのは、前述のアヌーク・エーメのルージュの似合う唇に「永遠の女の色気」を感じた筆者が偶然入手した「日本的ハッピーリップ」情報のシェア!
☑桜の名所「千葉厄除け不動尊山内 縁結び大社(愛染神社)」にてご祈祷済みという唇用美容液「パラドゥ サクラヴェールリップ」の期間限定色「しあわせ重なる濃い桜色」(22日発売済み)。
☑数本に1本の確率で遭遇するという「しあわせ桜」マーク入りのレアボトルで幸せ度数アップ。
というわけで早速、店頭へGOしたくなるのが女ごころというもの。
すると…なんと…珍しいことに…感動の大当たり!!!
よって「熟成美を秘めた『アヌークに学ぶ』」も、この辺りで、「しあわせ桜」色と共に
HAPPY END!!
うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中