美酒も映画も「新伊」な10月!?(宇佐美浩子)

2019/10/04 06:00 更新


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俗に「イタリアン」と略しがちなイタリア料理好きな人々にとって、ワイン通でなかろうとも、「ヴィーノ・ノヴェッロ」(新酒)の解禁日は、お祭り的楽しみの一つ。

そしていよいよ今月末、30日にその日がやって来ます。

そこで10月最初の「CINEMATIC JOURNEY」は、「美酒も映画も『新伊』な10月」と題し、昨今、日本での公開本数がやや右肩上がり感のするイタリアン・シネマをクローズアップ!

宇佐美浩子の過去のレポートはこちらから


シネマの話題に移る前に、まずは美酒にまつわるトピックを。

昨年末、「バーガンディに染まる晩秋」をテーマに旅した当コラムで紹介した、イタリアが誇る美酒の産地が主役の写真展。(写真上)

その際にもチラリと触れた通り、ユネスコ世界自然遺産候補地であったこの「プロセッコDOCG(スパークリングワインの逸品)」の故郷こと、コネリアーノ、ヴァルドッビアデネの丘陵地が、正式に世界遺産に登録されたのです!

ご存じの通り、世界1の世界遺産数を誇るイタリア。

そして現在、通年で目にするキャッチコピー「イタリアワイン六千年」(イタリア大使館貿易促進部が開催するワインプロモーションキャンペーン)の国らしい、ひと頃流行ったというフレーズは忘れ難い。

“プロセッキアーモ (アペリティフにプロセッコを飲んで帰ろう)!”

ちなみにプロセッコDOCワイン保護協会の会長いわく、「イタリアで年間1億1600万本が消費される、最もよく飲まれるワイン」なのだそう。

思えばローマ取材の折にも、イタリア人とのアペは間違いなくプロセッコだった!

そして、あの映画にもなった人気マンガ『テルマエ・ロマエ』の漫画家、ヤマザキマリさんもプロセッコを愛する一人なのだとか。


というわけで上記写真の通り、7月に行われたプロセッコDOCワイン保護協会ジャパンプロモーション2019にて発表された「テスティモニアル・プロジェクト」。

その任命式に登場されたヤマザキさんは、20年6月までその任務を全うすべく、更なる美酒との出会いを重ねている様子が彼女のSNSなどで配信中!要チェックのほど。

それではこの辺りでイタリアンシネマの話題に...


上記写真をご覧になって、「スタイリッシュなイタリアーナの隣にいるのはコスプレおじさん?」と思われた方も多いのでは。

実はスクリーンの役柄上、正真正銘のムッソリーニ!

題して、『帰ってきたムッソリーニ』。

物語は1945年4月28日の命日からおよそ70年以上経過した同日、「現代ローマに生き返り、再び権力を握ったならどうなるのか」という設定。

ムッソリーニ役のマッシモ・ポポリツィオと、彼との偶然の出会いをきっかけに「2人でイタリア全土を巡りながら、ドキュメンタリー映画の制作を」と思いつく映像作家役のフランク・マターノ。

そして監督兼脚本は、イタリアのヒットメーカーとして著名なルカ・ミニエーロ。

ゴールデントライアングルのような3人が奏でる本作は、随所にイタリアらしい茶目っ気と洒落っ気があふれている。


たとえば、上下2枚に登場する、ムッソリーニがTV出演することにより、局側の図式にも変化をもたらしていく中、頭角を現していく敏腕制作者役のステファニア・ロッカの衣装。

同じく下の画像左のTV局次長役のジョエレ・ディクスのメガネ、ジャケット&タイ&ポケットチーフなどディティールに至るまで、こだわり感満載の着こなしはまさしくMODA ITALIA!

中でも上のジョルジオ・アルマーニのゴールドはきらびやか過ぎず、ムッソリーニとペアカラー(あえて?)の黒シャツとのコーディネートは、マニッシュな中にもセクシーさが香る。

『帰ってきたムッソリーニ』

新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町にて公開中

©2017 INDIANA PRODUCTION S.P.A., 3 MARYS ENTERTAINMENT S.R.L. 



「美酒も映画も『新伊』な10月」と題して旅する10月最初の「CINEMATIC JOURNEY」。

次にご紹介するのは、少しばかり気が早いものの、実は今回のテーマにピッタリなので!

その訳を明かす前に、まずは作品のご紹介を。なぜなら映画を観る前に、できれば彼の音楽を知ってほしいから。

『アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール』


前述の登場人物のTVウーマンではなく、ラジオウーマンをしていた頃の私は、しばしば取材で出向いたミラノやフィレンツェあたりで入手しては、番組で放送していた彼の古いアルバム数枚。

その内の1枚『romanza』 を聴きながら、この原稿を書くことにしました。


自伝的小説「The Music of Silence」を基に完全映画化されたという本作。もちろん既に拝見し、不勉強ながら彼について初めて知ることばかり。

と同時に強くて温かい愛や勇気、そして情熱を是非ともシェアしたいと思ったのです。

視力を失ってしまった悲しみよりも数々の困難を乗り越え、法学博士号を取得して弁護士としても活躍、そして今では念願の彼の歌声が世界中の多くの人々に感動を届けることが出来る喜び、その大きさが勝っているのですから。

アントニオ・バンデラス演じる有名オペラ歌手を育てたキャリアを持つスペイン人のマエストロと、主人公アモス(トビー・セバスチャン)とのレッスンシーン(画像下)は、小説のテーマにもなっている「Silence」という言葉の深さを実感する。


では最後に、映画には描かれていない感動的ストーリーを少しばかり加えさせていただきます。


実のところ、本作の映像から彼の実家については予想がついてはいたのですが…

なんとアンドレアさんは「美酒」とも縁のある方だったのです。

というのも祖父アルチーデ・ボチェッリさんが1881年、トスカーナにワイナリー「ボチェッリ」を創設し、現在は三代目に当たるアンドレアさんと弟のアルベルトさんが後継者として、それぞれの役割を果たしているとか。

そこで早速、あれこれ東京のお店をリサーチしたのですが、あいにく入手できておらず…(涙)

ですが、「プロセッコDOC」は人気の辛口との評判ゆえ、必ずやテイスティングできる日が来ることを夢見て、今回はこの辺りで!

♪ Con Te Partiro~Time to Say Goodbye ♪


『アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール』

11月15日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー

©2017 Picomedia SRL.


宇佐美浩子の過去のレポートはこちらから

うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中

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