化学品商社のハイケムは、トウモロコシ由来PLA(ポリ乳酸)繊維のアパレル向け糸ブランド「ハイラクト」を開発した。中期経営計画の最終年度である24年度に売り上げ50億円を目指す。高裕一サステナベーション本部副本部長は「経済の仕組みや生活スタイルを変えず、デザインや機能を併せ持ちながら環境に優しい素材ができた」とし、石油由来繊維の代替として訴求する。
生分解性を持ち、土に埋めると3日目で服の形状が崩れ始める。乳酸由来の抗菌性を持つとする。従来のPLA樹脂に植物性の改質剤などを加え、アパレル生産での課題である耐熱性を向上させた。生地生産では、小野莫大小工業と業務提携し、樹脂原料から生地までの一貫生産管理によって染色など品質を安定させた。
同社が糸を提供し、小野莫大小工業からアパレル向けにデザイン提案を含め生地を販売する。ファストファッションをはじめ広くアパレル企業をターゲットとする。すでに国内外の企業と開発が進む。一部の商品は来春夏または来秋向けとしての発表を目指す。ほかに、ハイラクトを使ったタオル、寝具、ハンガー、不織布などの開発も進めている。
1日の会見では、ハイラクトと綿を使った服を身に着けたタレントのトラウデン直美さんが「色みやデザインもよく、日常生活の一部として取り入れられる」とコメントした。
中国でも販売する計画で、アパレル企業のサプライヤーとの共同開発をサポートする予定だ。12月8~10日に開催のエコプロ2021にも出品する。