パリ・オートクチュールウィークに発表されたハイジュエリーコレクションでは、色彩の美が豊かに表現された。メゾンはそれぞれのサヴォワールフェール(匠の技)でカラーストーンを巧みにあしらい、また3Dで新たなフォームを生み出すなど、伝統と新技術が交差する時代を映し出した。
(パリ=松井孝予通信員、中村維)
「ブシュロン」は、クリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌがアイスランドの水から着想を得た「オル・ブルー」を発表した。3Dソフトや3Dプリント、エッチングを駆使し、水の形態を再現。「カスケード」ネックレスは、メゾンの歴史で最長の148センチに及び、1800石を超えるダイヤモンドが左右の肩から流れ落ち、ボディー中央で重なり合うデザインで滝を表現した。白いダイヤモンドとアイスランドの本物のマットな黒い砂によるジュエリーセットは、他分野の技法を使い自然の美しさの大胆なコントラストを生んだ。水のひまつを翼のように表現したショルダージュエリーは、大胆さと繊細さが際立つ。
「ショーメ」は、音楽、ダンス、魔法の3章で奏でる「ショーメ・アン・センヌ」コレクションを披露した。妥協のないサヴォワールフェールを極め、詩的なシーンを演出する。ダイヤモンド、カラフルなサファイア、エメラルド、パールがメゾンならではの色彩の調和を奏でる。「ハーモニー」ネックレスは、700個のべセルと2800個の爪でダイヤモンドとサファイアをセッティング。ダイヤモンドとサファイアの和音を奏でる。「タンゴ」セットはスパイラルの中にカラーストーンをセッティングし情熱的なダンスを表現した。メゾンを象徴するティアラは空中に描かれたような5本のダイヤモンドのラインで、モダンさを出した。