JR東日本グループのJR東日本都市開発は9月10日、JR有楽町駅と新橋駅間の高架下に新商業施設「日比谷オクロジ」(東京都千代田区)を開業する。100年以上前からある煉瓦(れんが)高架橋と東海道線、東海道新幹線の高架橋を一体化した高架下に、全長約300メートル、高さ約6メートル、店舗面積約7200平方メートルの商業空間を作った。10日はファッションを含む物販と食物販14店、飲食16店がオープン、今冬までに6店が順次出店する。
(有井学)
コンセプトは「100年以上の歴史を生かし、次の100年につなげる」。30~50代を中心とした「通な大人」を主力顧客対象に据え、「新しい発見や出会いにつながる、個性豊かなこだわりの店舗」を揃える。30店のうち、新ブランドが11店、東京初出店が8店、旗艦店が6店。
「周辺エリアとの親和性、街の回遊を重視」し、ワーカーが数多く集まる新橋側を飲食ゾーン、日比谷、銀座を含め、近隣に商業施設が集積する有楽町側を物販ゾーンとした。物販は新潟県の生活道具ブランド「百年物語」を中心に酒、雑貨、食を揃えたセレクトショップの新業態「ニイガタ100」、福井県鯖江の眼鏡を揃えた「さばえめがね館」、糸染めから織り、製品化まで全て手作業で作ったネクタイを主力とする京都・丹後の服飾雑貨の旗艦店「クスカ&ザ・タンゴ」が東京に初出店。メンズファッション「ヴァンショップ」、スニーカー・革靴「パンサー/ユニオンインペリアル」、パターンオーダーの紳士靴「シェットランドフォックス」、革財布・革小物「ホークフェザーズ」、神戸の国産アウトドアウェア・用品「ファイントラック」も旗艦店を出す。このほか、旭川市の老舗印染メーカー「水野染工場」なども出店する。
イベントスペースを20カ所設置し、体験型企画を行うテナントを充実するなどして「集い、過ごす機能」も強める。2階にはテナントがイベントや講習会などを行う約76平方メートルの部屋も設けた。新型コロナ終息後は訪日外国人客の取り込みも狙う。