日比谷シャンテ 2月期売上高30%増 来館者数1.8倍に

2019/04/16 06:28 更新


 東宝が東京・日比谷で運営するSC、日比谷シャンテ(地下1階~地上3階、67店)は昨年3月末に隣接地に大型複合施設、東京ミッドタウン日比谷が開業した効果とそれに合わせた大型改装などの成果で客数が増え、売り上げも順調だ。

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 19年2月期は来館者数が前期比約1.8倍の550万人となり、開業31年目で初めて500万人を超えた。売上高は約70億円(前期比約30%増)に達した。3月の売り上げは大型改装効果で大きく伸ばした前年同月からの反動で、前年実績は下回ったが、「予算はクリアし、堅調」(福田信紘不動産経営部商業マネジメント室室長)という。

 改装は17年10月から昨年3月下旬までに店舗全体の約4割を刷新した。全面改装した地下2階レストランフロアと地上1階のレディスファッション・服飾雑貨主力フロアは共用部も刷新した。1階正面入り口前の広場も改修し、巨大ゴジラ像を配置した。さらに、昨年4月に広場前の別館1階に香港の人気点心レストラン「ティム・ホー・ワン」国内1号店を導入した。

 改装区画は「全体として好調」で、中でも地下2階やティム・ホー・ワンを中心とした飲食が大きく伸ばした。地下2階は17年12月の改装オープン時から好調だったが、ミッドタウンが開業して以降、さらに伸ばした。自社施設を含む近隣の映画館や劇場の観劇客に加え、ミッドタウン開業によって増えた来街者や就業者を取り込んでいる。ミッドタウン内に自社の大型複合映画館「TOHOシネマズ日比谷」ができた効果も大きい。ティム・ホー・ワンは話題性の高さもあり、女性同士のグループを中心に盛況で、現在も入店待ちの行列ができる。

 1階は正面入り口近くの区画に導入したベーカリー・カフェ「ル・プチメック」が全体をけん引、東京宝塚劇場前の入り口近くに入れたカフェ「キハチ・カフェ」やレディスファッション・服飾雑貨の改装区画も「予算を上回った」。レディスは「セオリー・リュクス」、服飾雑貨は「ノイラボーロ」が「特に好調」だ。また、昨年9月に地下2階に導入した女性向けのフィットネスクラブも順調だ。

 全館を通じて、従来の中心顧客の50代のほか、近隣就業者を含め、40代の来館が増加した。「これまで日比谷にあまり来なかったファミリー層も多く、ベビーカーの貸し出しが飛躍的に増えた」という。前期のポイントカードの入会者数は前の期に比べて約1.5倍に増えた。

 近隣の劇場や映画館の作品と協業した「シャンテらしい」販促を強化した成果も大きい。今期も引き続き積極化し、ファッションを含むテナントとも連携して「増えた入館者の顧客化」を促進する。

1階のレディスファッション・服飾雑貨も予算を上回った


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