「ヴォールト」の会場
グッチは、特別プロジェクトのデジタルコンセプトストア「ヴォールト」を発表した。クリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレは、「ショッピングは物を買うだけにとどまらず、関係を深め、絆を築くことでもある。起源や作者、時代が異なる様々な商品が一堂に出合うことで〝不可能なはずの会話〟が実現する。そんなハイブリッドな場所として、このヴォールトを生み出した」と説明する。ヴォールトとは、イタリア語の金庫室をほうふつとさせる言葉で、貴重なものを大切に収めるようなイメージを込めた。
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デジタルストアでは、オークションや個人コレクションから入手したグッチのビンテージピースを職人が完璧に修繕し、シリアルナンバーを付けた一点物をオリジナルパッケージに包んで販売する。また新鋭デザイナーの才能の巣であった90年代のコンセプトストアから着想を得て、20年11月に開催した「グッチフェスト」でコレクションを発表した若手デザイナーによる13ブランドの商品も取り扱う。一部の商品は同ストア限定。若手ブランドの成長にも貢献しそうだ。
「私は様々なエネルギーを呼吸しながら生きている。今日のファッションには外部からの酸素が必要だ」と語るミケーレ。今後も、彼にとって不思議なもの、美しいものを絶えず追求、発展し続けるプロジェクトとなる。
（ミラノ＝高橋恵通信員）
