22年春夏ミラノ・コレクション ポジティブでセクシーな女性像

2021/09/30 06:29 更新


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 22年春夏ミラノ・コレクションは、ポジティブでセクシーな女性像や命への賛歌を感じさせる演出が広がった。ブランドのアイコンや原点に立ち返ったクリエイションも目立つ。

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〈フィジカル〉

 ドルチェ&ガッバーナは、「DG・ライト」をテーマにした。総ミラー張りの会場に流れるのは、伊のミュージックグループ、ブラック・レジェンドの00年のヒット曲「ユー・シー・ザ・トラブル・ウィズ・ミー」。そのリズムにのせて、盛りに盛った2000年代ファッションを見せ、ポジティブでセクシーな女性を描いた。胸にジェニファー・ロペスや「2000年ファッション」と書かれたTシャツもある。ボレロやミニスカート、デニム、バッグやブーツには、大きなラインストーンがジュエリーのように散りばめられ、ゴールドとシルバーの総フリンジが揺れる。刺繍や複雑なパターンなど、イタリアの職人技あればこそ実現できたアイテムも多い。それを礼賛するように「メイド・イン・イタリー」と書いたTシャツも登場した。 

 総ビーズ刺繍で光を放つマスキュリンなテーラードジャケットはオーバーサイズ。ラインストーンのマイクロブラ、ゴールドレザーのスリムなパンツと合わせた。ブランドのDNAである「シチリアの黒」のドレスは、コルセットやレーシーな要素をいつもよりアグレッシブに表現。セクシーに強さが加わった。00年代の華やかで勢いのあるポジティブなムードに憧れるZ世代ら若い女性に向けて、「自身を再構築し、改めてファッションを楽しもう」というメッセージを伝えた。

ドルチェ&ガッバーナ
ドルチェ&ガッバーナ
ドルチェ&ガッバーナ

 リアルショーの復活とともに、インスタレーションやライブパフォーマンスでブランドのヘリテージやメッセージを伝えるブランドが目立つが、その極みともいえたのが、レディスとメンズの合同ショーを行ったマルニだ。会場は、円形のメインステージを観客が取り巻くようにしつらえた特設アリーナ。開演前に、すでに客席にはマルニのストライプ柄の服を着たアクターたちが、ゆらゆらと揺れながら座っている。透き通るような美しい歌声とともにコーラスが入場し、命への賛歌に包まれる中、ショーが始まった。観客の合間を縫って歩くモデルたちは、人種も体形も様々。味のある容貌をしている。

 太いストライプが描かれた超オーバーサイズのニットやブレザー、長いワンピースは、男女共通のアイテム。花のモチーフをつなげたミニドレスの女性や巨大なバイカージャケットの男性の髪は青い塗料でまっすぐ上に高々と固められ、服や髪形を含めたその人の個性がぐっと迫ってくる。彼らの劇場的な雰囲気や、中盤の詩の朗読や歌に観客は巻き込まれ、空間に存在する全ての人が一体化して、まるで宗教的儀式のような空気に包まれた。テーマは「ウェアー・ウィー・アー」。一つに集まり、ともに行動し、そこで何を着て、自分がどうありたいかを問いかける瞬間を共有するショーだった。

マルニ
マルニ

(ミラノ=高橋恵通信員)

 スポーツマックスの、今の気分を反映したコレクションに毎回感心させられる。静寂の白いランウェーに登場したモデルたち、コレクションの随所にコルセットのディテールが見られた。ビクトリア時代を思い起こさせるコルセットにパンツを合わせ、女性が解放されていることを明確にする。オーバーショルダーのジャケットの背中やスーパーハイウエストのパンツの内側にはレースアップ、オーガンディのドレスの背中にはテーピングの上にホックが主張する。ボーンを抜いたパニエのドレスやバロック風のジャケットなど、歴史コスチュームの要素も強かった。アシンメトリーに走るドローストリングを絞り、ギャザーがボリューム感を生み出す。ニットのボディースーツやフローラルのレギンス、大きなバックパックを合わせることでスポーティーさも加えていた。90年代後半からミレニアム期のアントワープのデザイナーをほうふつさせるコレクションだった。

スポーツマックス

 ミラノの注目若手デザイナーの一人がアクトNo.1だ。テーラードと大量のチュールのラッフルを掛け合わせたデザインで話題になった。最近も男性セレブがレッドカーペットで着用しソーシャルメディアをにぎわせた。もちろん22年春夏もチュールがメイン。メタルのフレームが作り出す巨大なドレスを、モデルが手押し車のように押しながら登場。真ん中で割れて出てきたと思えば、シンプルなベアトップドレス。このほかにもデニムのコートやオリエンタル風の花柄シャツ、ハイレグをはいているようなテーラードパンツなど、ウェアラブルなアイテムも多かった。

アクトNo.1

(ライター・益井祐)


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