「ファッションフリークショー」が再演 ジャンポール・ゴルチエさんに聞く

2025/09/10 10:59 更新NEW!


ジャンポール・ゴルチエさん

 ジャンポール・ゴルチエの半生を描いた「ファッションフリークショー」が12日から東京・渋谷で再演される。日本再登場を前に、ゴルチエがリモートインタビューで再演への思いと自身のブランドの未来について語った。

(小笠原拓郎)

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 日本は楽しい思い出ばかり。日本の人に最初に認めてもらったキャリアの最初の地です。そこで新しい演目ができることに満足しています。23年以来の再演となります。

 このファッションフリークショーを通じて、子供時代の自分の人生や仕事を知ってもらえる。スポーツがダメな子供で、内気だった。疎外感を持っていたけれど絵を描くことが好きだった。ある時、自分の絵が人を幸せにすることに気づきました。その後、映画を通じてファッションを作るようになりました。そういう自分の集大成です。ちゃんと夢を見て、それを生きることが大切なんだってことを伝えたい。

 「ジャンポール・ゴルチエ」の新クリエイティブディレクターのデュラン・ランティンクは、プレタポルテとオートクチュールをデザインします。彼は精神性が僕と共通する。皮肉が利いていて、独創性がある。(契約)期間は3年で、やって見て、それ以降のことは決めることになっています。彼が作るゴルチエ像がどんなものになるのかは分からない。楽しみにしているし、好きにやってもらって、自分もびっくりしたい。日本の皆さんにもびっくりしてほしい。

 自分もピエール・カルダンの弟子だった時に、そのイズムを受け継ぎながら、自分らしさを入れるというのをやってきた。「サンローラン」に、イヴ・サンローランはもういないけれど、そのエスプリは続いている。ランティンクは型にはまらずに、壊して作り上げる。試行錯誤があるのが素晴らしい。

 僕のブランドでデザイナーを務めたオリヴィエ・ルスタンや「トム・フォード」でのハイダー・アッカーマンなど、いろんな例がありますが、若くて才能あふれるランティンクが3年後にどうするかは、この期間に2人で考えられればと思うし、最終的には、彼が決めることだと思っています。

 ハイブランドのデザイナーを務めた人で、並行して、もしくはハイブランドのデザイナーを終了したあとで、自身のブランドを成功させている人ももちろんいますよね。



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