新型コロナウイルスの世界的な広がりによって、ファッションビジネスも大きな影響を受けている。20~21年秋冬コレクションは終えたものの、生産や市場での販売は依然として不透明だ。一方で、21年春夏コレクションに関しては、6月のメンズコレクションやプレコレクションのほか7月のオートクチュールも、中止やデジタル形式での発表形態へと変更を余儀なくされた。いち早くデジタル形式の発表を明らかにしたロンドン・メンズコレクションの見通しやロンドンのデザイナーたちの今後について、小笠原拓郎編集委員と若月美奈ロンドン通信員がメールで対談した。
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◇コレクションに様々なコンテンツ
小笠原 ずっと沈黙していたBFC(英国ファッション協会)が、デジタル形式でロンドン・ファッションウィーク(LFW)をやると発表しました。それに続いてミラノやパリもデジタル形式での発表を6、7月に計画することを明らかにしました。ミラノは9月にメンズとウィメンズを相次いで21年春夏コレクションとして見せるという方針もあります。このデジタル形式の発表というのはどう見たら良いのでしょうか。
ロンドンは6月も9月もデジタルで、しかもメンズもウィメンズも一緒にやるわけですよね。リアルのファッションショーをいつ再開できるかということにも関係してくるのですが、この状況をどう見たら良いでしょうか。
若月 BFCの発表では男女一緒に見せることについては、今後1年間と明記してしばらく続ける意向を示していますが、デジタルについては取り急ぎ6月についてしか言及していません。でも、今の状況では9月のショー開催も厳しくなってきましたね。