福助ロジスティクスが業容拡大 外部の衣料・非衣料、EC物流も

2023/06/07 06:27 更新


堺に導入したフィンガースキャン

 福助ロジスティクス(堺市、岩男史朗社長)が業容を拡大している。福助のレッグウェアやインナーだけでなく、介護関連商品をはじめとする豊田通商食料・生活産業本部管轄の各種商材、大手アパレルメーカーのアウター、EC商材へと取扱品が拡大中だ。

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 流通センターは、衣料中心だった堺、埼玉県吉川市の拠点に加え、昨年11月に東京都江東区、今年2月に愛知県あまの市に豊田通商向けメインの拠点を新設し、今年中をめどに関西でさらに一カ所を設ける予定。堺、吉川以外はノンアセットで運営する。

 今後、グループ外の顧客開拓をさらに強化していくほか、「ロジスティクス・ソリューション・プロバイダー」として、物流問題に悩む企業へのコンサルティングなども増やす。福助の物流で培ってきた衣料の扱いや小ロット対応への強みだけでなく、「トヨタ式の物流ノウハウ」が大きな武器。膨大な数の自動車部品からノベルティーグッズに至るまでの部材を計画通りに全て揃えられる。ハード設備だけでなく、多能工化や省人化に対する現場の知識集積もある。きめ細かい管理手法はECでも生かせるため、今年から既存取引先であるアパレルメーカーのEC物流拡大、一部取り込めていない福助のEC物流の全量受注化も進めている。

「トヨタ式の物流ノウハウ」も大きな武器

 人員・人材の確保、省力化がこれからの大きな課題。吉川ではハンディーターミナルで行ってきた検品スキャンを画像自動認識に切り替えて自動化。堺ではフィンガースキャナーを導入した。両手が使え、女性でも作業負担が少ないため、作業効率は1.5倍に向上したという。今後も様々な職場環境の改善、デバンニング(コンテナからの荷物の取り出し)の自動化などマテハン機器の更新を引き続き進めていく。

 福助はコロナ禍直後の環境変化に即応し、レッグウェアメインの熊本、鳥取工場での新規事業の本格化をはじめ、固定資産の有効活用に特に力を入れてきた。福助ロジスティクスも福助以外の物流業務を本格化。決算公告での純利益は、18、19年(3月期)の赤字から、直近は3期連続の増益と収益基盤が確立している。



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