臨済宗や曹洞宗の袈裟(けさ)などを仕立て、販売する法衣の藤田(静岡県袋井市)。コロナ禍を機に冠婚葬祭のあり方が変わると見越し、培った技術や法衣の素材を生かした雑貨の店、明仙堂を運営している。
販売する雑貨はいずれもオリジナル。遠州綿紬やアバカなど従来法衣を仕立てる際に用いる地元の生地や素材を使う。基本的に手縫いで、一つひとつ作っているのが特徴だ。
売れ筋は遠州綿紬のあるトートバッグの大きいサイズ(税込み6820円)。ほかに、遠州綿紬の上に法衣の紗と呼ばれる透け感のある素材を重ねた巾着(1870円)も売れている。色柄のバリエーションが豊富で、ちょっとしたギフトを入れる用途などで男女問わず人気がある。
禅僧でありアーティストやミュージシャンとしても活躍する千葉兼如さんが描いた「飾る御朱印」の販売も始めた。寺の文化や魅力を伝える目的で、「生活に禅を取り入れる」がコンセプトだ。
今後、付加価値とサステイナビリティー(持続可能性)の観点から、着用済みの袈裟など法衣の生地を使って、新しい雑貨なども企画している。販路は実店舗と自社ECが中心だが、卸販売も検討している。
