フランスのファッション製造・小売業 24年はさらに悪化?

2024/01/05 06:28 更新


 【パリ=松井孝予通信員】「24年は何が起こるかのか誰も予想できない」。仏メディアに対し、そう話したのは、大手コンサルティング会社、ローランド・ベルガーのヤン・クレッツ氏だ。仏ファッション製造・小売りのさらなる悪化を示唆している。中東情勢の影響で石油価格上昇によるインフレ再燃の予測が、その言葉を裏付ける。24年はリユース市場のさらなるシェア拡大が予想される。

 23年のフランスのファッション製造・小売業は、レディスウェア・靴、子供服にわたり、更生・破産手続きが相次ぎ、衰退を明確にした凶年だった。この国の顔であるファッションは、輸出とインバウンド(訪仏外国人)が好調だったラグジュアリーメゾンが支えている現状を顕在化した。

 「ナフナフ」「クーカイ」「ピンキー」のほか、ギャップ仏法人など90年代を象徴する企業が、平均で毎月1社、更生手続きや再建型破産手続きを申請した。共通点は、繁栄した時代だけでなく中間価格帯であること、昨年に至るまでに更生・破産と経営交代を繰り返していたことがある。経営危機は販売形態と経済の二つが要因だ。

 危機の要因は、成長できた時代の路線依存からコロナ下に必須となったデジタル改革ができず、消費の変化に対応できなかった。商品開発力もなく実店舗での売り上げが落ち、コロナ下から滞納している家賃が払えず、そこにインフレの追い討ちを受けた。フランスモード研究所(IFM)によると、衣料品購買力は目安となる新学期の9月、前年同月比で15%も減少した。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事