フレックスジャパン 働くママへシャツワンピース

2018/03/16 06:30 更新


 シャツメーカーのフレックスジャパン(長野県千曲市、矢島隆生社長)は、女性の活躍を支援するトリスト(千葉県流山市、尾崎えり子代表)と共同で、シャツワンピース「トリニテ・ワンピ」を開発した。〝働くママ〟を初めて打ち出し、フレックスジャパンの直販サイト「軽井沢シャツ」で今月から販売する。受注生産でフレックスジャパンの国内工場で1枚1枚丁寧に縫製する。納期は2週間。価格は税込み8900円。

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 トリストの協力で17年2月から、働くママたちのヒアリングを始めた。この中で、「シャツは着ない。汚れる。着心地が悪い。着替えに時間がかかる。しわになる。クリーニングに出す手間がかかる」などの意見が寄せられた。一方で、様々な場面で着られるシャツ地のワンピースへの関心も高いとわかり、シャツワンピの商品化を決めた。17年夏ごろから試作品をママたちに着てもらい、意見を生かして改良した。長野からデザイナーも参加し、「お互いに素材や、パターンを何度も修正しながら開発した」(陳蔚フレックスジャパンFS事業部責任者)という。

 商品名にも、意見交換で出された声を生かした。家庭や職場、地域と三つの場面を一着の服で対応できる特徴を表すため、「Trinity(三位一体)」のキーワードが挙がった。国産である点が伝わりやすい軽井沢シャツを生かすことも決まったという。

 商品は素材に東レの「ハイブリッドセンサー」(ポリエステル100%)を使う。速乾性があり、しわになりにくく透けない素材で、機能性・実用性・デザイン性に配慮した。家事の際にぬれにくい九分袖。着たまま授乳しやすく、胸元が見えないパターンも採用した。

 トリストは、「家庭・職場・地域」をつなぐシェアオフィス事業なども行っている。単なるヒアリングのテスターだけでなく、商品化・マーケティング・宣伝まで積極的に関わり、子育てしながら働く女性たちがノウハウを蓄積する。流山市は人口18万人で、子育て世代がトップレベルで増えている自治体。

 フレックスジャパンも女性従業員が活躍できるように早くから制度の導入や環境整備に取り組んできた。長野県の「女性の子育て応援宣言」も登録済み。NPO(非営利組織)アローアローとも提携してママインターンプロジェクトに参加する女性にシャツを無償で提供する試みも実施している。

「トリニテ・ワンピ」を着たトリストのメンバー。左から2人目が尾崎代表。


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