台東デザイナーズビレッジ(東京)でこのほど開かれた、新進クリエイターブランドによる合同試着会「フィッティングルーム」は前回よりも来場者が増え盛況だった。販売会だと買わないといけないと構えがちだが、自由に試着して、気に入ったら後日ECで購入すればよく、気軽に来場しやすいのが特徴だ。
2回目の今回は、国内の物作りにこだわるレディスファッションで、「ダイチオガタ」「フミク」「カナカワサキ」「マホロオギノ」「ナギサ」「ツテ」の6ブランドが集結した。台東デザイナーズビレッジの卒業生や現入居者、知人などの通常、ECやイベント販売などDtoC(消費者直販)が主力のブランドが参加し、テイストやジャンルの垣根を越えて、自由に試着を楽しんでもらった。
大人の女性を中心に、全ブランドの服を試着した人や2時間ほど滞在してじっくり悩んでいた来場者もいたという。「常連のファンだけでなく、新規の来場者も多かったので、ブランドへの入門編として、良いきっかけ作りにはなった」と考えている。
メンズの毛芯仕立てのジャケットやコートを得意とするダイチオガタ(尾形大地)はタイロッケンコート(税込み11万5000円)や尾州でオリジナル開発したツイードを使った台場仕立てのジャケットなどが好評だった。そのほか、ミリタリーディテールのダウンコートや共地のネクタイ付きシャツが人気だった。
初参加したフミク(林史佳)は遊び心のあるガーリーな服。付け襟兼ビュスティエやレイヤード用の巻きスカートなどギミックの凝ったアクセサリー感覚のアイテムの評判が良かった。シンプルなドレスに合うレイヤードを意識したアイテムも人気だった。
自身でライフスタイルイベントも主催するナギサ(阿部渚)は国内産地でオリジナル開発したプリントやジャカードの生地を使ったブラウスなどが支持された。ディテールとパターンにこだわった定番スウェットなど定番アイテムも長く愛されている。
「〝着る〟を楽しむ」をコンセプトにするツテ(鈴木成美)は1サイズで、年齢・性別問わず着られるのが特徴。国内産地の生地を使った服作りで、プロダクトデザインの視点で着方をアレンジできる点も受けている。期間中にSNSやオンラインストアの閲覧数が増えたという。
ワンピースを主力にしたマホロオギノ(荻野茉藍)はジャカード柄やレース使いによるエレガンスでシックなデザインが30~40代女性から人気だった。デザビレ入居で自身のアトリエに在庫をストックできるようになり、期間限定店での販売もしやすくなったという。
カスタマイズできる仕様のワンピースを主力にしたカナカワサキ(川崎加奈)はアイコンとなる「スイッチ」シリーズを中心に好評だった。前身頃に付けた別布のパーツを26個のボタンで着脱・交換することで、様々なシーンに合わせてカスタマイズできる点が注目された。