ファストリ セルフレジ特許権侵害訴訟で和解

2021/12/24 17:00 更新


 ファーストリテイリングとアスタリスク及びNIPは係争中だったICタグを活用したセルフレジの特許権に関する係争案件に関して、12月23日に和解したことを発表した。

 ファストリはNIPが保有する特許が有効に存在していることを尊重し、アスタリスクとNIPは、セルフレジはアスタリスクの特許出願が公開される以前から、ファストリが独自に開発し、使用していたものであると確認するもので、円満な和解合意であるとしている。和解成立により、アスタリスクとNIPは特許権侵害訴訟等を取り下げ、ファストリは無効審判請求を取り下げる。

 セルフレジの開口型ICタグ読み取り機能に関する特許を取得していたアスタリスク(現在はNIPに譲渡)と、この特許公開前から独自にセルフレジを開発し使用していたファストリとの間で特許の有効性について見解の相違があり、話し合いでは溝が埋まらなかった。

 ファストリは、第三者の判断を得るため、無効審判を請求、アスタリスクとNIPは特許が有効であり、ファストリの使用するセルフレジが特許侵害であるとして、ユニクロとジーユーに、特許権侵害訴訟を提起してた。その後、話し合いを継続する中で、互いの主張がボタンのかけ違いから発生したという相互理解ができ、係争状態の長期化は、互いの事業発展を阻害しかねず、無益との意見で一致。係争を続けず、協力して互いの事業発展に努めようという合意に至ったという。

 ファストリは今後、それぞれの権利や事業を尊重し、互いに良好な関係を築き、ユニクロとジーユー店舗で今後も国内外でセルフレジを使用するとしている。アスタリスクとNIPはこれまで通り、特許品としての販売、およびサービス提供を継続する。



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