伊財閥アニェッリの持株会社エクソール 仏「クリスチャン・ルブタン」へ出資

2021/03/10 06:26 更新


 【パリ=松井孝予通信員】フィアットやフェラーリを所有する伊財閥アニェッリの持ち株会社エクソールが、「クリスチャン・ルブタン」社に5億4100万 ユーロ 出資することが明らかになった。アニェッリ家は第三者割当増資の引き受けで、ルブタン創業者たちと並ぶ24%の株を所有する。この資本提携は、ルブタンのアジア市場開拓と、EC開発を目的とする。91年に創業したこの仏靴メゾンの年商は推測で5億 ユーロ 。現在の売上高は米国42%、欧州40%で、中国は10%未満となっている。ローヒールやスニーカーの商品開発をテコに中国市場での成長を目指す。ECは欧州、米国、ドバイ、アジアで展開し、売上の20%を占める。

 エクソールのジョン・エルカン会長兼CEO(最高経営責任者)は、「ルブタン氏のたぐい稀な創造性、エネルギー、ユニークなビジョンは、大企業を構築するに必要条件を満たす」と将来性に確信を表し、ルブタン氏は、「起業家精神にたけたエクソールは、私たちの長期計画に即したパートナー」と焦らずに前進する姿勢を示した。

 欧州でのコロナ禍により、仏ラグジュアリーメゾンは、中国市場とECに戦略を集中させている。ブランディングの経験豊かなアニェッリ家は20年12月、仏エルメス・インターナショナル所有の中国ブランド「シャン・シャ」に出資し大株主となった。同家は自動車産業で得た利益を、今後ラグジュアリー産業に投資し、活動の多様化を図るものと見られる。



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