欧州ブランドの25年春夏&プレスプリングコレクションは引き続き、デイリーウェアが充実する。ブランドのコードを軸にしながら、量感やスタイリングにひねりを加えて新しいバランスを提案する。目を引くのは、ミニマルなミニスカートや襟の大きなシャツ。クライミング用のハーネスやバイカーショーツなどスポーツ要素をさりげなく取り入れたスタイルも目を引く。
(青木規子)
「JWアンダーソン」は、ミラノで見せた25年春夏メンズコレクションとともに、25年リゾートウィメンズコレクションを発表した。インスピレーション源は、ヒプノセラピー(催眠療法)。完全な睡眠「リアルスリープ」に落ちていくイメージを形にした。夢の世界に落ちていく過程で、プロポーションは狂い、どんどん膨らんでいく。その感覚がシルエットに反映されている。
キルティングブルゾンやTシャツは身頃や袖がぽわんと膨らみ、雲や綿を連想させる。プルオーバーの裾にぶら下がる風船のようなディテールも楽しい。ここ数年、ジョナサン・アンダーソンが提案し続けているボリュームアイテムより、ソフトなイメージだ。ワッフル地のブルゾンは、拡大した格子状の凹凸が体を柔らかく包み込む。
眠りや夢にまつわる場所も着想源の一つ。ニットドレスには、デザイナーの出身地の北アイルランドの家の窓が描かれている。同地を代表する企業ギネスとの協業商品も出した。
「パトゥ」の25年春夏のテーマはローズ。バラの色や香り、醸し出すロマンティックな雰囲気を表現するとともに、ローズという一人の女性をイメージしてストーリーを描いた。ラインナップは彼女のワードローブという設定だ。