EUとのEPA 繊維製品は関税を即時撤廃

2017/07/10 04:26 更新


 日本とEU(欧州連合)は6日、首脳会談を行い経済連携協定(EPA)の大枠合意を確認した。年内には最終合意、19年には協定発効を目指す。関税分野における大枠合意内容は繊維製品の場合、関税は相互に例外なく即時撤廃されることになる。皮革・履物は段階的に関税率が下がり、11年目または16年目に撤廃される。

 双方の関税率を見ると、例えば衣料品の場合はEUからの輸入製品に日本が8.4~12.8%、日本からの輸入製品にEUが8~12%の関税をかけている。同EPAが発効されると、これらの関税は0になる。

 原産地規則については、原則2工程ルールが適用され、一部の高付加価値な加工工程は1工程で原産性が認められる。

 例えば、糸の場合は域内で紡糸、撚糸されていること、生地の場合は域内で①糸から織り、編みをしたもの、②織り、編みと、染めやプリントなどの加工をしたもの。糸は海外製でもよい。③高度な染めやプリントで加工したものは1工程ルールが適用される。生地は海外製でもよい。衣料品の場合は域内で①織り、編みした生地を使って仕上げたもの。糸は海外製でもよい。②高度な染めやプリントで加工した生地を使って仕上げたもの。生地は海外製でもよい。

 一方、皮革製品の関税は段階的に引き下げられ、消費者はEU域内で作られた皮革製品を安く購入できるようになる。例えば、ハンドバッグは8~16%、ベルトは12.5%の関税がかかっているが、EPA発効後に11回に分けて段階的に関税率が下がり、11年目には撤廃される。

 そのほか、革靴の場合は現在、関税割当制度で定められた数量の枠内で輸入するなら一次税率として17.3~24%の関税がかかる。枠を超えると二次税率として30%、または1足あたり4300円の関税がかかる。EPAが発効されると、枠を超えても一次税率の範囲に下がり、その後は関税率が11回に分けて段階的に下がる。

 同EPAが発効すれば、世界のGDP(国内総生産)の30%弱を占める大きな経済圏が生まれる。日本の輸出入総額のうち、EUとの貿易額は約10%。繊維製品で言えば、EUからの輸入額は16年に約2150億円。EUへの輸出額は900億円弱。輸入は衣類の比率が高く、輸出は糸、テキスタイルが中心。

 日本繊維輸入組合のデータによると、EUからの衣類輸入額は16年に1418億3600万円で、衣類輸入総額の4.9%。中国からの64.7%と比べるとわずかだ。「EUとのEPAで衣類輸入に大きな影響は生じにくい。むしろ、日中韓FTA(自由貿易協定)に対する関心が強い」という見方が大勢で、「衣料品よりも欧州ブランドの雑貨輸入が増えるのでは」という声が高まっている。


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