新型コロナの影響も薄れ、久しぶりにリアルでの入社式が華やかに行われた。各社それぞれの特徴が見られた式典ではドレスコードがなく、自分なりの最大限のおしゃれで表現した新入社員が夢と希望を持ってスタートを切った。
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ファッションの力を信じよう
TSIホールディングスは4月3日、新入社員213人を迎え、東京・南青山のスパイラルホールで入社式を開いた。コロナによる着座制限や分散開催をしないのは4年ぶりだ。式典会場での着席の姿勢やおじぎの角度、表情管理を指導する恒例の研修も再開した。
23年度の採用人数はTSIが総合職13人と販売職120人、アルページュ44人、TSIソーイング5人、TSIソーシャルワークス1人、エス・グルーヴ30人。
グループ会社9社を統合してから2度目の採用計画で、今年度から採用人数を増やしている。TSIの総合職は22年度の約2倍で、販売職も約20人増やした。コロナ禍からの反動もあるが、各事業部に若手を入れることで「新しい風を吹き込む」ことが狙い。販売職をはじめ、アパレル業界全体で人材の確保が厳しくなる中、24年度も今年度並みの人数を採用する予定だ。
式典の前、30分程度のリハーサルを行うのはコロナ前からの恒例行事だという。マスクの着用は個人の判断に任せたが「マスクの上からも伝わる笑顔を意識する」よう練習した。式典が始まる頃には213人がきっちり揃った美しい動きを見せた。
「小さな会社が集合した〝市場〟のような会社。ブランドも個性的で、縫製から販売までいろんな職種の人がいるので、たくさんの人とコミュニケーションを取ってほしい」と下地毅社長は話した。街に活気が戻ってきているが、客が戻ってきている店とそうでない店が分かれていると言及し、大好きなブランドを成長させるには何が大切なのか考えるよう問いかけた。ファッションが大好きという気持ちを忘れず、「ファッションの力を信じよう」と笑顔で語った。
(繊研新聞本紙23年5月16日付)