1890年9月10日はデザイナー、エルザ・スキャパレリの生まれた日です。ローマに生をうけています。若い頃にロンドンに出て、貴族と知り合って結婚。1914年のことです。その後、米国ボストンに移住。やがて離婚しました。20年代になってパリに移っています。当時有名だった「マギールフ」の店に勤める。これがモードの世界への第一歩となったのです。
最初にデザインしたのはプルオーバー。それは黒の地に白のトロンプルイユ（だまし絵）をあしらったセーターだったのです。これが話題になりデザイナーになることに。
27年に初コレクションを発表し、後に自分の店を開いています。彼女のデザイン、例えば「スケルトンセーター」は黒に白で骨の模様を描いたプルオーバー。33年にはロンドンに支店も出し、同じ年に「ジッパー」を発表。これはドレスに色違いの大きなファスナーを配したデザインでした。
スキャパレリは当時友人だった、芸術家のサルバドール・ダリやジャン・コクトーからもヒントを得ています。「ショッキングピンク」を発表したのが30年代後半のこと。これ以上はないほどの鮮やかなピンクだったのです。（服飾評論家・出石尚三）
