《EC担当者を訪ねて》スポーツタカハシ マーケティング営業部EC課マネージャー 太田一史さん

2021/08/25 06:27 更新


スポーツタカハシ マーケティング営業部EC課マネージャー 太田一史さん

 大阪を拠点にリージョナルカンパニーとして地域から熱く支持され、22年に創業100周年を迎えるスポーツ専門店のスポーツタカハシ(大阪市)。20年に店舗休業などで来店客数が落ち込んだことから、EC強化にかじを切った。

 ――単独スポーツ専門店ECの特徴は。

 当社は実店舗1店とネットモール店を含むEC4店で営業をしています。実店舗がスポタカ心斎橋ビッグステップ本店の利点は、販売スタッフと密なコミュニケーションを常時取れることです。ECで売れそうなものを売り場から教えてもらう形で、店頭にしかなくECでも扱ってほしい商品など、来店客から得たニーズがすぐサイトに反映できるのは強みです。このコミュニケーションの強さと実店舗同様の接客で「これぞスポタカ」というECを目指しています。

 仕入れ商品戦略はあくまで実店舗をメインに、在庫情報は一部を除き一元化しています。EC限定商品や先行予約商品などECのみの販売品は例外となります。20年はコロナ禍で約1カ月の休業に加え、それまで売り上げの約1割を占めていたインバウンド(訪日外国人)需要もなくなり、大きな減収を強いられ、EC強化方針を全社的なものにしました。現在、EC売り上げは前年比30%増以上のペースで推移しています。

 ――EC強化の効果は。

 例えば、サーフボードは画像やテキストだけでは商品特徴が伝わりにくく、インスタライブを活用したオンライン接客で説明しています。これを始めてそれまで休暇期間中の来店ぐらいだった遠方客を増やすことができました。高額商品ほどオンライン接客の重要度は高く、サーフィンカテゴリーを皮切りに他のカテゴリーにも拡大していく予定です。

 ――東京五輪の影響は。

 スケートボード日本代表の躍進でスケートボード関連商品の問い合わせが急増しています。超人気の限定商品には、動画で見せる技の名前が答えられる人だけが購入資格が得られるようにしています。クイズ形式の楽しさもありますが、転売目的の購入を防ぎ、心からその商品が欲しいと思うスケーターに届けるためでもあります。

 こうした商品は受注が集中してサーバーダウンすることもあり、その防止も兼ねています。

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