コアなファンつかむ婦人服EC「カワイイ」

2015/07/10 06:26 更新


 ワンピース(兵庫県加古川市、電話079・436・0511)が運営する婦人服ネット販売サイト「カワイイ」が、コアなファンをつかんでいる。「ちまたにあふれている服じゃ満足できない人たちに届けたい」という、「ほかにはないカワイイ」がコンセプト。言葉の選び方など細部まで見せ方に気を配り、乙女心をくすぐっている。

非日常を演出

 同社は05年、当時21歳の久本和明社長が、楽天市場でワンピースの販売を始めたところからスタートした。その後、森ガールブームと共に成長。森ガールだけでなく、様々なカワイイを追求しようと、今年1月にサイトを刷新した。既存の「モリ」に加え、「オトナ」「フレンチ」「ナチュラル」「サンポ」の計5ラインに品揃えを拡充。中国や韓国から商品を仕入れ、常時600型を販売する。商品は、大花柄の総レースチュニックや、総ネコ柄のワンピース、たっぷりドレープを入れたロングスカートなど。「ありきたりではない、わくわくするデザイン」を選び、しっかり売れ筋になっている。

 サイト作りにも遊び心が詰まっている。大きな木を刺繍したワンピースは「星降る木」、カラフルなスカートには「幸せを与えてくれる色を着よう」など、アイテム名よりもストーリー性が際立つメッセージを目立たせる。会員限定のセールも、「秘密の発表会」と名づけ、非日常を演出する。「女性にとってのカワイイとは、おしゃれとは何かを突き詰めて考える」ため、細部まで言葉遊びが光る。製作チームも、監督、脚本、編集と役割を明確にすることで、コンセプトがぶれることなくイメージを伝えている。

高いプロパー消化率

 客層は、20~40代の女性がほぼ均等で、メルマガの会員数は約8万人。客単価は春夏物5000円、秋冬物8000円。前期(15年1月期)は、サイト刷新の準備で売上高5億2000万円だったが、今期は、73%増の9億円を見込む。プロパー消化率は8割と高く、経常利益率20%台を維持している。決してニッチに寄るだけではなく、久本社長「100万人単位のターゲットをイメージしよう」と社員にも話している。テイストの異なるブランドを増やしながら、各ブランド10億円規模に育成することで事業規模を拡大したい考えだ。

「女性のとってのカワイイとは何かを突き詰めて考える」と久本社長
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