繊研新聞社の「第26回テナントが選んだディベロッパー大賞」と「第26回ディベロッパーが選んだテナント大賞」の部門賞が決まった。それぞれのアンケート調査に基づき、23年度の優秀なSCとテナントを表彰する。部門賞から選出する大賞は3月8日に発表する。
ディベロッパー大賞
売り上げと集客力を評価する敢闘賞は、にぎわいを取り戻す中で有力施設が力を発揮した。内外からの観光客を集めた「東京ソラマチ」や、昨年新人賞の「ららぽーと福岡」、イノベート賞だった「エミフルMASAKI」も受賞した。
新人賞は特徴的な3施設が選ばれた。東京都心で際立った「麻布台ヒルズ」はこのあとの全館オープンが期待される。「京都高島屋SC」は百貨店に新設の専門店ゾーンを加え、枠を広げた。「ららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真」は広域型SCとアウトレットの組み合わせ含めて評価された。
コンセプト賞はぶれない発信を続けるところに加え、イオンモールが新たな切り口で打ち出した「自由が丘デュアオーネ」が入った。イノベート賞は新規開発が減る中で改装、増床の重要性が増していることを印象づけた。
CS賞は、「玉川高島屋SC」は連続受賞となったが、ほかは顔ぶれが変わった。ES賞は「新静岡セノバ」など定評があるところが中心だった。
特別賞は前回までの社会貢献賞と統合したこともあり、いずれも地域連携の取り組みが評価されるところが選ばれた。
テナント大賞
外出着需要回復を背景に、価格と価値のバランスが取れたテナントが票を集めたのは前年と同様だが、カジュアルに加え、仕事やオケージョンの品揃えにも力を入れている店が選ばれる傾向が見られた。
ベストセラー賞は「グリーンパークス」が初受賞。「グローバルワーク」「スリーコインズ」が3年連続、「ハニーズ」は2年連続の受賞だ。「ビームス」「ジーユー」「ジンズ」と過去に受賞歴のあるテナントも選ばれた。
敢闘賞は「アーバンリサーチ・ドアーズ」が2年連続受賞したほか「チャオパニックティピー」「ウッディーハウス」が初受賞となった。仕事着需要回復の波に乗り、「オリヒカ」は8年ぶりに選ばれた。
集客力やMD、VMDの新鮮さ、独自サービスなどが評価基準のキラリ賞は、40~50代女性向けの「エルーラ」、郊外施設の支持を得た「コーエン」、アパレルも強化している「ニューエラ」が選ばれた。
社会貢献賞はサステイナビリティーを念頭に置いた取り組みや商品開発への評価で「ユニクロ」、幅広いブランドで票を集めたマッシュグループが受賞。デジタル活用賞には「ドットエスティストア」が2年連続で選ばれた。
プロポーズ賞は地方、都心を問わずラブコールの多かった「無印良品」と「#ワークマン女子」が選ばれたほか、「オンワードクローゼットストア/セレクト」が初受賞した。