繊研新聞社が2月にアンケートを行いまとめた最新の「日本の有力店が選ぶデザイナーランキング」は、日本の若手デザイナーの躍進が目立った。コロナ禍を境に国内ブランドが改めて見直されたことが背景にある。昨年から、実力ある若手が上位にランクインするようになってきた。特に今回はメンズの動きが著しい。
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躍進したのは「MASU」(エムエーエスユー)の後藤愼平。国内メンズ部門で2位となった。ベストテンの常連で、前回の4位から今回はぐっと突き抜けた。魅力はカジュアルからテーラーリングまで既成概念にとらわれないデザイン。多くの店が力を入れており、勢いづいている。
「発売日に扱い店を回る熱狂的な固定ファンがすでに存在する。デザイン、クオリティーに対してプライスが良く、満足度が高いようだ」(アディッション・アデライデ)、「特に若い世代から圧倒的に支持されており、業界を盛り上げるエネルギーと勢いを感じる」(阪急阪神百貨店)。
1月に開いたイベント「MASUボーイズランド」も好評だった。23年秋冬の新作をショー形式で顧客に披露し、熱狂する様子を映像に収めた。その映像とともに先日、初めてパリで展示会を開き、ブランドのムードをストレートに伝えた。滑り出しは好調だったという。今後の動きも注目だ。