デサント、韓国に販売子会社設立

2014/12/26 06:13 更新


 デサントが社名ブランド「デサント」のグローバル化を加速させる。これまで日本と韓国を基盤にデサントブランドの事業を展開してきたが、15年1月にも韓国ソウルに販売子会社のデサントグローバルリテールを設立。15年中には香港と欧州で卸売りをスタートし、16年には欧州で直営店を出店する青写真を描く。

 新会社のデサントグローバルリテールは資本金100億ウオン(約10億円)、出資比率はデサント60%、韓国の現地法人で100%出資子会社のデサントコリアが40%。社長にはデサント取締役でデサントコリア社長の金勲道(キム・フンド)氏が就任する予定だ。日本と韓国を除くグローバル市場でデサントブランドの小売りおよび卸販売を手掛け、グループ全体の収益拡大に貢献するのがミッションとしている。

 デサントが展開するブランドは現在16。「マンシングウェア」や「ルコックスポルティフ」「アリーナ」など日本を含めたアジア地域で商標権を持つブランドは少なくないが、グローバルで展開できるブランドは唯一、社名ブランドの「デサント」だけ。この間、欧州や北米ではスキーウエアを中心に販売し、サイクリングやアウトドアなども扱ってきたが、収益貢献には至っていない。

 しかし、デサントブランドの連結売上高に占める比率は5年前の15%から14年3月期は26%にまで拡大。14年4~9月も前年同期比36%増の161億円(国内36億円、海外125億円)を達成している。

 この間の成長を支えてきたのが直営店を軸にした韓国でのリテールビジネス。韓国では今年1~6月も50%以上の伸びで高い成長率を維持している。これを受け、今年3月には日韓合同プロジェクトのグローバルリテールチームを立ち上げ、デサントブランドの企画開発から通年型ブランドとしてのショップ運営など、韓国での〝成功モデル〟をグループ全体に取り入れるための事業戦略を立案してきた。その結果が、今回の販売子会社設立につながった。

 7月には欧州に駐在員事務所を開設し、デサントブランドを軸にした欧州事業の通年化に向けた土台作りにも着手。15年春夏物からは日本と韓国でゴルフウエアに進出するなど事業領域の拡大も進めており、同業他社に比べると立ち遅れていた社名ブランドへの投資を強化し、グローバル化を加速させる。



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