百貨店のバレンタイン商戦が1月下旬から順次スタートする。コロナ下での家ナカ需要や環境負荷低減など社会課題の解決につながるサステイナビリティー(持続可能性)を切り口とした商品が目立つ。贈り物の用途から「自分チョコ」や家族など大切な人と過ごす自家需要へ楽しみ方が広がっている。
西武池袋本店はカカオの持続的なフェアトレード(公正取引)を目指したチョコレートブランドを販売する。ガーナのカカオ農家に味と作り方を教えるために現地で工場を建設しており、売り上げの一部を現地の支援に充てる。
高島屋はパリ発のビーガンスイーツや品質に問題がなくても茶色の斑点など見た目で廃棄されてしまうバナナを使ったチョコの限定品を揃える。イベントでは仏パリの有名ショコラティエと日本をリアルタイムで結んだライブ配信を実施する。

松屋銀座本店はコロナ下での家飲み需要に着目し、ウイスキー、日本酒とペアリングしたチョコを企画した。特設会場のイートインコーナーでは、銀座のバー2店と協業した酒とチョコのセットメニューを提供する。

百貨店のバレンタイン商戦は右肩上がりだったが、コロナ下で21年に売り上げが伸び悩んだ。22年は店頭とともに自社ECサイトを拡充して巻き返しを狙う。店頭売り上げは、取り扱いブランドなど規模を拡大して前年比2ケタ増を見込むほか、ECの受注販売の上乗せに力を入れる。