デイトナ・インターナショナルは新たに設立した子会社を通じ、自社で開発したOMO(オンラインとオフラインの融合)推進のソフトウェアの外販を本格化する。商業施設や小売店向けに販売する。中期経営計画に掲げる「在庫リスクのない新規ビジネス確立」に向けた一環。事業規模は5年後に十数億円を目指す。
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同社は9月に子会社イノベーションスタジオを設立した。加藤利典取締役CDO(最高デジタル責任者)が社長を兼務する。1年前から設立の準備を進めてきた。
販売するのは「プラスシリーズ」。AI(人工知能)カメラやタッチパネル機能のあるミラー越しにパーソナルカラーやファッション診断ができる「プラスミラー」、デジタルサイネージなどに表示するデータを店舗で一括管理できる「プラスサイネージ」などがある。接客支援用アプリや、顧客の購買、行動データをより細かく把握・分析できるサービスの開発も進めている。
一部は昨年から「フリークスストア」に導入し、検証してきた。ファッション小売業の立場だからできる販売員の負担軽減や、作業効率化に役立つ機能を充実した。「アフターコロナで店頭に客足が戻っている中、販売員不足の解決につながれば」(加藤氏)と話す。既に三井不動産がららぽーとTOKYO-BAYに導入しており、他の施設からも引き合いがある。
主力のソフトウェア販売のほか、来年にはVR(仮想現実)やゲーム上で、アバター用の服やNFT(非代替性トークン)の制作・販売も進める。ファッションだけでなく、客の趣味・嗜好(しこう)に応じた商品をECで提案するアプリも開発する予定。まずは国内で実績を作り、海外への販売にも乗り出したい考え。