創業70周年の大和ハウス工業は、プレハブ住宅を祖業に連結の事業規模で5兆円を超える巨大な住宅総合メーカーに成長した。多様な事業に取り組むが、柱の一つの商業施設事業はグループ売上高で1兆2000億円をにらみ、運営するSCは400を超える国内有数の商業ディベロッパーでもある。郊外ロードサイドを起点に変わる地域や社会課題に応えながら事業を広げ続けてきた。
ロードサイドを開発
大和ハウス工業のSCを生み出すことになる流通店舗事業が立ち上がったのは1976年。急速に進むモータリゼーションの中で郊外ロードサイドを商業立地として着目した。翌77年に流通店舗事業部が発足するが、推し進めた創業者で当時社長の石橋信夫は、部門の名称に「流通」を冠することにこだわったという。店舗を建設するだけでなく、土地所有者と商業者をつなぐことを事業化する狙いが込められていた。