大丸東京店 3月に婦人服の新編集ゾーン

2017/02/09 06:29 更新


 大丸東京店は3月3日、6階婦人服売り場にライフスタイル型の編集ゾーンを新規導入する。神奈川・葉山のセレクトショップ、サンシャインプラスクラウドの高須勇人オーナーがディレクションし、これまでの百貨店にないカテゴリーミックスのMD、環境・サービスで新規顧客の開拓に挑む。初年度の売上高は4億5000万円を見込む。

 新編集ゾーンは「リブトーキョー」と名付け、婦人服ミセスフロアに約400平方㍍(カフェ含む)の規模で設ける。衣料品、雑貨、化粧品、食品・飲食、書籍、観葉植物など10のコンテンツを独自編集する。シンプルで長く愛用できるモノ、心地良さを体感できるコトを通して、「都会の中で海辺の風を感じてもらいたい」(大丸松坂屋百貨店)と多様化する顧客の暮らし方、楽しみ方に対応する。

 婦人服、雑貨はサンシャインプラスクラウドのオリジナルやインポート商品をはじめ、「グランマママドーター」「ヤエカ」などベーシックな大人の日常着を揃える。さらに伊インポートシューズ、バッグのほか、「カミラフカ」の帽子を編集する。化粧品は神戸・芦屋に自社工場を持つザ・ハーブスのスキンケア、ヘアケアのほか、カフェはカリフォルニア発のソルトウォーター、植物はプレジュールの新業態が入る。

 木材を取り入れた共通什器や内装の統一環境で、各ショップを自由に行き来できるようにした。書籍は丸善と連携した趣味や芸術など2000冊を揃え、カフェで提供するクラフトビール、ワイン、ソフトドリンクをベンチで飲み、くつろぎながら過ごすことができる。時間と用途に合わせた自由な空間を用意する。
 販促のツールとなる専用カタログは従来の商品を全面に出す手法と異なり、エッセーや風景写真を多用。顧客との共感やコミュニケーションを重視した編集を徹底した。

 新編集ゾーンはミセス向け婦人服フロアに導入するが、衣料品の構成比を35%程度に抑える。カテゴリーを超えた編集で、50代以上に上昇していたフロア顧客層の幅を広げて、若返らせる。

 一方で、従来の婦人服に比べて売り場効率が低下し、フロア内の既存婦人服との買い回り性がほとんどない新ゾーンが生まれることになる。あえて相乗効果を狙わずに、今まで百貨店に来ていなかった人を呼び込み、新規顧客の獲得に向けた拠点にする。縮小した婦人服は売り上げを拡大することで、フロア全体の効率を維持する考えだ。

lib左 全体
多様化する顧客の暮らし方、楽しみ方に対応した新編集ゾーン「リブトーキョー」(イメージ)


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