メンズ主力のアパレルブランド「クルニ」(安藤一彦)は5月30日まで、東京のギンザシックスで期間限定店を開いている。これまでアプローチできていなかった大人層やインバウンド(訪日外国人)を対象に、ブランドの認知度を広げる狙いだ。
同ブランドは14年の立ち上げ以来、10~30代を中心にファンを増やしてきた。シルエットにこだわった、ほどよくゆとりのあるデザインのアパレルが人気。近年は高級感と価格のバランスの良さで、バッグ、財布などの小物も評判になっている。
今回の期間限定店について安藤氏は、「ギンザシックスは、これまでクルニが出会えていない層の客が多い。客層を広げるチャンスになる」という。
4月26日からスタートし、滑り出しは好調だ。初日には開店30分ほどで、中国からの観光客による約7万円のまとめ買いがあるなど、インバウンド客が目立つ。29、30日の土日は、中目黒の直営店とほぼ同額の売り上げで、半分が免税売り上げだった。日本人客も50~60代の夫婦がバッグを購入するなど、既存の客層と異なる年齢を取り込んでいる。
高級商業地の銀座に合わせて、限定のバッグも企画した。安藤氏が自ら革問屋を訪れ、「最もいい部位を選んだ」というクロコダイルレザーのバッグ3型。それぞれ一点物で45万~66万円と高額だが、店のアイキャッチとしても機能している。
安藤氏は「今年は外へ打って出る。都心と地方都市の百貨店、高感度なファッションビルで期間限定店を出したい」とし、「将来的には好調だった商業施設への直営店出店や、自主編集売り場への卸の拡大につなげていきたい」と語った。
