主要ラグジュアリーブランドは5月、各地で25年クルーズコレクションを発表した。メインコレクション以上にブランドの哲学や手仕事の技が盛り込まれるコレクション。毎年、セレクトされる都市や建築物も注目される。今回は自由や太陽を感じさせる場所が選ばれた。ルックは透明感のあるきれいな色が目を引く。
(青木規子)
グッチは5月14日、ロンドンのテート・モダンで発表した。クリエイティブディレクターのサバト・デ・サルノがこの地を選んだ理由は、アートと建築の相互作用でイノベーションを盛り上げる場所だから。制作にあたり幾度もロンドンを訪れて、アイデアを膨らませた。自由なムードのコレクションに仕上がった。
目を引くのは、ビンテージライクなフェミニンスタイル。軽やかに揺れるボウブラウスにダブルブレストのテーラードジャケットを組み合わせた。ブラウスは淡いピンクやライムグリーンのシフォン仕立て。スエードジャケットやレザージャケットは、体をきれいに包み込む仕立ての良さとともに、懐かしいムードがある。濃淡で切り替えたデニムパンツは、デイリーなイメージをプラスする。ドレスとテーラーリング、フェミニンとマスキュリンといった対極の組み合わせをわかりやすく提案している。