綿花需給、3季ぶりに生産が消費上回る見通し

2018/01/18 04:25 更新


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 日本紡績協会は綿花需給で、今季17~18綿花年度(8~7月)は3季ぶりに世界の綿花生産が消費量を上回ると見られ、今後の価格はやや軟化するのではとの見通しを示した。一方で超長綿相場は今後も高値が続く見通しだ。

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 ICAC(国際綿花諮問委員会)によると、15~16綿花年度の世界の綿花生産量は2148万トンで消費は2418万トン。16~17綿花年度は、作付面積が昨年並みも面積あたりの収穫量が向上し生産量が2300万トンまで回復したものの、消費量は2452万トンと引き続き消費量を生産量が上回る状況が続いていた。

 今季は競合作物が軒並み価格を下げる中で綿花が比較的高値を維持したことで、農家の綿花作付け意欲の高まりが生産増につながり、生産量は2574万トン、消費量は中国、インドを中心に比較的堅調で2522万トンとなり、若干生産が上回る見通し。中国の過剰在庫も減少しつつある。ただ、直近の綿花価格は適品不足に対する懸念から価格が80セント以上にまで上昇するなど高値が続いている。「今後アメリカを中心に収穫が進み、生産が高まってくれば価格は安定に向かうのでは」と指摘した。

 一方、超長綿についてはエジプトでの生産が不安定な状況が続いており、「増産も難しい」との見方。需要自体は堅調で、アジア各国ではアメリカ産の超長綿であるスーピマ綿へのシフトも進んでいることから、直近で1ポンド当たり170セントという高値が今後も続く見通しだ。



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