モデルのヨンアさんがクリエイティブディレクターを務める、DMI(東京)のレディスブランド「コエル」は、ブランドのデビュー5周年を記念し、一年を通してイベントや協業を連打する。当初からヨンアさんと顧客が触れ合う接点の場を大切に設けており、節目となる今年はさらに「コト重視」で盛り上げる。直近では5月に阪急うめだ本店、6月に伊勢丹新宿本店で期間限定店を開く。
(松本寧音)
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ブランドは「幸せを感じる服」をコンセプトに、18年7月にスタート。デビュー当時はほとんどがヨンアさんのファンだったが、ファン層のロイヤル化と安定した売り上げをキープしつつ、新規客を拡大している。1枚で主役級の華がある、フェミニンでモード感のあるデザインが特徴だ。
東京・南青山の骨董通りにあるコンセプトストアと直営EC、卸販売に加えて、期間限定店で販売する。売り上げ構成比は現在、EC4割、卸販売3割、残りの3割が期間限定を含む直営店となっている。
23年はアニバーサリーイヤーとして、すでにヨンアさんと親交のある俳優・米倉涼子さんの事務所「デサフィオ」と協業したハット類や伊カルツェドニアグループのランジェリーブランド「インティミッシミ」と協業したランジェリーなどを販売。5月17~23日には阪急うめだ本店、6月7~13日には伊勢丹新宿本店で期間限定店を開く。阪急うめだ本店は年2回、伊勢丹新宿本店では定期的に開催しており、平均して約一週間で1300万~1500万円を売り上げている。
ほかにも、6月にゴルフウェアの協業、7月にリゾート施設との協業の発表も控えている。8月には国外でのイベントも企画している。
これまでもコンセプトストアでヨンアさんが店頭に立って接客をしたり、顧客を招いた女子会「バー・コエル」を開催したり、夏祭りや餅つき大会といった「地方の専門店をイメージした」親近感のある取り組みでファンを広げてきた。ヨンアさんは「この5年間はあっという間だった。いろいろなところへ会いに行き、楽しくやらせてもらった」と振り返る。
今後は「新規客の開拓が課題」(川窪一平DMIセールスマネージャー)とし、エントリーラインやベーシックラインの開発を視野に入れている。対中国で、卸販売も強化していきたい考えだ。「インポートに近い個性的なデザインで、他社と被らないことが他にない魅力」とする。