シンゾーン創業者の染谷真太郎氏が今春設立したシンチは9月10日、東京・渋谷区のオフィスに直営店舗を開いた。「この店で洋服って楽しいよねとの思いを伝えたい」と染谷氏。作り手と客を「直線で結ぶ」を狙いとし、物作りの様子が見られる空間で商品を販売する。
約60平方メートルの売り場に、オリジナルのレディスブランド「オブラダ」と古着を揃える。オブラダのジーンズが売りで、国内工場と協業して糸からすべて独自に作る。企業名の由来となった部品、シンチもポイントだ。
店内はガラスの壁で区切った小部屋が特徴的。取引先の工場や生地屋との商談、将来的には服のリペアを行い、客が作り手の顔や物作りの様子を生で見て、感じられる臨場感を出す。工場や生地屋もどのような人が商品を購入しているのか、客の顔を見られる。

店は大通りから裏道に少し入った場所に構える雑居ビルの2階にある。「わかりにくい場所にあって入りづらいかもしれないが、勇気を持って扉を開けてくれたら僕たちはいつでもウェルカム」。染谷氏はじめ、同社のスタッフも直接接客ができるため、安心感もある。企業名に込めた確かなものを届けたい思いと、ブランド名にのせた毎日が楽しくなる服を作っていきたいとの願いを同店で形にする。