バレエ用品のチャコット フィットネスで新ブランド

2018/11/14 06:30 更新


 オンワードグループで、バレエ・ダンス用品を製造・販売するチャコットは、19年春からフィットネスで新ブランドを立ち上げる。バレエ用品の開発で培ってきたノウハウをフィットネスウェアに活用。チャコットの既存顧客だけでなく、30~40代を中心とした幅広い層に提案する。既存の直営店やブランド単独店、専門店などで販売する。

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 今年3月、オンワード樫山社長などを歴任した馬場昭典氏が、チャコット代表取締役会長に就任した。馬場会長はこの間、営業・企画現場に入り込み、自社の強みと課題を分析し、新たな成長戦略を策定。重点分野の一つにフィットネスを挙げ、一般層のライフスタイルマーケットにも参入することにした。

 新ブランド名は、「チャコット・バランス」。可動域の広いレオタード素材を使った動きやすいトップや、腰回りのホールド感に優れ、透けにくいパワーネットのレギンス、縫い目が無く多彩な柄を実現するオリジナルの高機能ニットによるアイテムなど、バレエ発想のヨガウェアを揃える。価格帯は、トップが3900~1万1900円、タイツ・レギンスが1900~5900円、ボトムスが5900~1万900円など。

動きやすさ、心地良さ、エレガンスがテーマのチャコット・バランス

 チャコット・バランスは、「チャコット」の直営30店内や、今後、商業施設に出店を進めていくブランド単独の店舗(標準面積は66平方メートル)で販売するほか、スポーツ専門店やライフスタイルショップなどにも卸売りする。

 既存直営店のうち、4月に移転・改装開業する京都店は、売り場面積約200平方メートルのうち、約50平方メートルをバランスに割き、直営店の新型店舗と位置付ける。バランスの売り場では、ウェアだけでなく、体幹を鍛えるバレエ用のトレーニンググッズなど、これまでバレリーナだけに紹介していたものを、一般層にも使える健康グッズとして提案する。

 チャコットは国内のバレエ用品市場で約半分のシェアを持つ業界最大手。近年の業績も、売上高は110億円前後、営業利益は5億~7億円と安定している。ただ、プロからシリアス層にかけては市場占有率がやや低下するほか、「バレエを本格的にしていない層には敷居の高さがある」(馬場会長)との指摘も出ていた。そこで、「体幹を鍛え、姿勢が良くなるといったバレエによるメリット・財産を、今の時代に合わせて一般の人たちにも広げていき、企業ブランドの価値向上を目指す」ことにした。

 同社が掲げる新戦略の柱は、①バレエの更なる寡占化②コスメ事業の拡大③フィットネスへの本格参入――の三つ。バレエはトウシューズの開発やレンタル事業の強化、コスメではアジアでの拡販などに取り組む。フィットネスは、これまでヨガラインなどで手掛けていたが、既存客向けが中心で、商品の重複も見られたため、新たに立ち上げるバランスに統合する。

馬場会長


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