キャントンオーバーオールズ 学生と農作業ウェア開発

2019/03/26 11:00 更新


 日本初のジーンズブランド「キャントンオーバーオールズ」と現役大学生がタッグを組んで、農作業ウェアを開発した。目指すのは農業の活性化――キャントンオーバーオールズを扱う豊島は、東京農業大学と共立女子大との共同プロジェクトで、18年度に開発した農作業着をこのほど発表した。

 それぞれの役割は東農大が「機能性」、共立女子大が「デザイン性」、豊島が監修した。東農大の国際食料情報学部食料環境経済学科の増田敬祐助教授が指導する「山村再生プロジェクト」の学生委員会農作業着開発班のリーダーの余越柊介さんが中心となり、長野県長和町の農作業従事者や同大学で農業実習している学生にヒアリングした。

 調査結果から「機能性とデザイン性」の二つが求められていると分析。機能性では耐久性や着心地、通気性、伸縮性、着やすさ、収納性、ボタンよりジップアップの着やすさやスマートフォンを収納できるポケット、ボールペン差し、内ポケットなどを追求した。

 共立女子大学は家政学部被服学科の宮武恵子教授が指導する被服意匠研究室の高橋優希さんと森下友紀子さんが中心となり、東京農大の提案を基にファッションの視点からアプローチし、カバーオールとパンツを考案した。

 単品で他のアイテムとも合わせやすく、飽きのこないデザインだ。カバーオールは農作業で動きやすいゆとりのある丈。裏側の随所にステッチで両校のカラーを入れ、今回の協業を表現した。ボトムは男女共に着られるテーパードで、必要なポケットを配置した。

 これらの提案を受けて豊島が製作した。ソフトで独特の風合いを持つ綿と、同社のオリジナルオーガニック綿「オーガビッツ」混の9オンスの生地を使った。

おしゃれで機能性のある農作業着に仕上がった

 余越さんは「調査を2回行った結果をしっかりと踏まえ、共立女子大と豊島がとても動きやすい農作業着を作ってくれた」とし、高橋さんと森下さんは「機能とデザインのバランスが大変だったが、でき上がった製品を見た友人たちが『カワイイ』と言ってくれた」と話した。

 キャントンオーバーオールズの佐藤健二ブランドディレクターは、「若年層へのデニム製品の普及や異業種とのコラボを拡大する」とし、「国産初のジーンズブランドとして日本のデニム産業の活性化に力を尽くしたい」と語った。



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